船乗りクプクプの冒険のあらすじ・作品解説
『船乗りクプクプの冒険』は1962年に発表された北杜生の児童向け小説である。奇想天外な楽しいストーリーの中に、文明批判や人間のあるべき姿などが記されており、児童文学の名作として評価が高い作品。 勉強嫌いの少年がふと手に取ったキタ・モリオ氏の「船乗りクプクプ」という小説は、全部で4ページしかない本だった。ところが、彼はいきなりこの本に吸い込まれてしまい、主人公のクプクプになってしまう。訳が分からぬまま、少年は船に乗り、冒険の旅に出る。ある島に上陸した時、元の世界に戻るためには、物語の中を逃げ惑うキタ・モリオ氏を探し出して続きを書いてもらわなくてはいけないことに気づく。また船旅に出た少年は別の島でキタ・モリオ氏に出会うことができたが、本当は優しい原住民たちに捕まってしまったり、やっと出会えたキタ・モリオ氏がまた逃げ出してしまったり、冒険はなかなか終わらない。けれど、すっかり冒険に慣れ親しんだ少年は、キタ・モリオ氏を追いかける新たな旅を始める。
船乗りクプクプの冒険の評価
船乗りクプクプの冒険の感想
素直に面白いです。
物語の設定も、ストーリーも、どちらかと言えば無茶苦茶です。その無茶苦茶の中に、幾重にも伏線があり、後でハッと気づくことが多々ありました。え、こんなのあり?何度もそう呟きながらも、無茶苦茶な中で進んでいくストーリーに面白さや、親しみを感じながら次々と読み進めていきました。物語の中のキャラクターが結末を求めて、同じ物語の中にいる作者を探す。その作者は怠けて、なかなか結末を書いてくれない。そんな攻防は、とても新鮮で、面白いものでした。書店でタイトルのかわいらしさに惹かれて購入しましたが、中身も今までにない面白みを持ったものでした。もし仕事や勉強で疲れているとしたら、とてもお勧めです。