猫語の教科書のあらすじ・作品解説
猫語の教科書は、映画「ポセイドン・アドベンチャー」の原作などで知られるアメリカの小説家ポール・ギャリコが発表した作品である。日本では1995年に翻訳家の灰島かりによる日本語版が筑摩書房から出版されており、2015年時点で同社から単行本と文庫版が発売されている。 ある日編集者のもとへ届けられた意味不明の文字と記号が羅列された原稿を解読してみると、なんとそれは猫自身が猫のためにタイプライターを打って書いた「人間のしつけ方」のマニュアルだった、というコンセプトで書かれた一風変わった小説である。 「人間の家をのっとる方法」や「猫のとっての正しいマナー」など、徹底して猫目線で書かれた本作品は著者の猫に対する深い愛情が感じられ、猫好きの人にとってはまさしく教科書的な、人気の高い作品となっている。 本書には多数の猫の写真が収められており、文庫版には猫好きの漫画家・大島弓子の書き下ろし漫画が収録されている。また、本書の姉妹編として同著者の「猫語のノート」が、同じ筑摩書房より出版されている。
猫語の教科書の評価
猫語の教科書の感想
新発想で面白い
もと野良猫が語る、「いかにして理想的な家と世話をしてくれる人間を手に入れるかについて」というすべての野良猫と仔猫のための指南書という設定をとる面白い作品。ネコが書いたものを作者が翻訳ということで、ネコ目線からの人間の選び方・扱い方が新鮮だ。猫の好きな人なら「ああ、わかるわあ。」というポイントも多いかもしれない。ネコ好きにはたまらない一冊となるかもしれないおススメの一冊だけれど、普通の本として読むには少し物足りないかもしれない。この本を近所の野良猫が読んだらどう思うかなと考えながら読んだあと、道端で野良猫と目があったりすると「もしかして値踏みされてたりして。」なんて思えてしまうような内容だと思う。