女生徒の評価
女生徒についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
女生徒の感想
男性目線の理想の少女像を生々しく描いた作品
文体による少女性まず「女生徒」における特徴は文体である。ある少女の1日の流れを描いた作品であるが、行動と思考の両方が彼女の独白によって記されており、読者は文章を追っていくと、女生徒の思考に入り込んだような錯覚を覚える。成熟した女たちに感じる不潔感、あたりの景色や何気ない動作への既視感、学校の友達や教師たちへの軽い批判、飼っている犬への思い、母親への苛立ちと切なさ、そして嫁いだ姉や亡くなった父親への愛慕といった、さまざまなエピソードが凝縮して一日に詰め込まれることで、断片的に次から次へと継起してゆく意識の流れを疑似体験させられるような感覚になるのだ。この感覚に、私たち読者は思春期の少女特有のふわふわとした頼りない様、ひらひらとスカートを揺らして歩く少女の姿を連想させられる。まだ筋の通っていない未完成な少女性を表す文体としては優れていると言えるだろう。少女の持つ成熟嫌悪女生徒がバスの中で妊婦...この感想を読む