エマのあらすじ・作品解説
「エマ(Emma)」は、1815年に刊行されたイギリス人小説家ジェーン・オースティンによる長編小説である。オースティン作品の多くは18世紀から19世紀のイングランドの中流社会を背景に、女性の私生活や結婚をテーマに描かれている。 田舎の上流階級の美しい令嬢Emmaは、自分の大切な友人が密かにお似合いだと思っていた男性と結婚したことから、自分には縁結びの才能があると思い込み様々なおせっかいを焼いていく。おせっかいな恋愛のキューピット役を気取る主人公が、紳士的な男性オードリーに出会ったことで自分を見直し、成長して結婚するまでの道のりを描いた恋愛小説である。 本作は1972年にテレビシリーズで映像化され、1996年にはグウィネス・パウトロー主演で映画化され第69回アカデミー賞作曲賞を受賞した。 日本では1965年に阿部知二訳で中央公論社、1997年ハーティング祥子訳で青山出版社、2000年に工藤政司訳で岩波文庫、2005年に中野康司訳でちくま文庫から刊行されている。
エマの評価
エマの感想
面白くて笑える
登場人物がみんな個性的でとても面白い。本当に身近にこんな人達がいたら、ちょっと頭がクラクラするくらい大変かもしれないけれど、文学作品の中でもこんなに笑ってしまうくらい面白いキャラクターの多い作品もあまりないのではないかと思う。また、この時代のイギリスの典型なのか、結婚する男女の年齢差が15歳ほど離れていても当たり前のように語られているのがちょっとびっくりした。最初に読んだときには、「つまり女性は結婚相手を探す前に身の程を知れということなのだろうか」と疑問に思ってしまったが、階級を超えて男女が結ばれたりすることは絶対にありえないというのがひと昔前までのイギリスでは当たり前だったとすれば、なんとなく納得できるストーリーだと思う。