うつくしい子どもの評価
うつくしい子どもの感想
子供も大人と同じ。
自分の弟が突然、少年Aとなる。まだ13歳の弟が9歳の妹の同級生を殺してしたとして警察に補導(成人してないので逮捕ではない)されてしまった。そんな事実を15歳の時の自分に突きつけられたらどうなるだろう?変わっていく自分たちの住む街や住人の様子やマスコミの攻撃(これは攻撃と言っていいと思います)に怒りこそすれ、どうすることもできずに逃げてしまうのではないだろうか。主人公である少年Aの兄は住んだ街を離れることも転校することも拒み、現実を受け入れる。「逃げても何も変わらないんだ」そう言える15歳がどれだけいるだろう。そして兄は、弟がなぜ、そんな事件を起こしたのかを理解しようと調査を始め、ある真実が見えてくる。そんなお話です。子供だから純粋で悪いことはしないなんて大人の願望でしかないんだな、と改めて思った1冊。
子供の狂気
自分の13歳の弟が9歳の少女を殺した。子供が子供を殺してしまうというショッキングな内容の小説です。一人でやったことなのか…話が進むにつれて一人ではなく兄の同級生に誘われてやってしまったことがわかりますが、弟は少女をいたぶる時とても快感を覚えたと言い、ゾクリとしたのを覚えています。弟が補導された後の家族の気持ちや、真犯人を探そうとする14歳の兄の純粋さや、その中での成長していく姿。普通の家族、普通の生活、それが一変する。最後真犯人が解ってホッとするけど、真犯人も子供なんだよな…と何とも言えない気持ちになりました。色々と考えさせられる一冊です。