乳と卵の感想一覧
川上未映子による小説「乳と卵」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
母との関係について悩んだら読む本です。
母と娘は分かり合えないのか。親と子の関係って、どうして こう 複雑に感じるのかな。親と子ではなくて、母と娘の関係が、複雑なのかな。わたしは娘で、もしわたしに兄がいて、そしたら 母と兄の関係 も、複雑なのかな。わたしは娘だから、そんなの一生 わかりっこないんだけれど、母は 女で、わたしも、女。巻子と緑子、母と娘この本は、母である巻子 その娘の緑子が 、言わずもがな母と娘である。わたしは、母と 相容れないような気がしていて緑子に自分を重ねた。わたしと母の関係を変える「何か」が見つかるかもしれないと思い、この本を読むことにした。母は母で 、わたしと うまくいってるとは、思っていないと思う。緑子の頭と心の言葉を引用する。「パソコンも好きにみれるし、それに学校はしんどい。あほらしい。いろんなことが。あほらしいとこんなふうに書くことがあほらしいけど、学校のことは別に勝手に過ぎていくことやからいいけど、家のこと...この感想を読む
関西弁の文章に圧倒されっぱなしでした。
川上未映子先生は多彩。歌手活動もされている多彩な川上先生。この作品も結構ニュースで取り上げられ、話題になったように思います。それはどうしてだったか忘れてしまったのですが、読んでその独創性に驚きました。会話以外も会話のように書かれ、そしてふんだんに関西弁を多用しているからです。はっきり言いますと、標準語ではない文章に嫌悪感が生まれ、この作品も読み始めた手前途中で止めるということが嫌な私の頑固さが祟って、最後まで読むことになったのですが、今では自分の性格を褒めてあげたい気分です。よくぞ最後まで読んだ、と拍手を贈りたいです。なぜなら、真新しい刺激を受けることになったからです。彼女の文章は、まるで音楽を聴いているような軽快なテンポで読み進めることができ、関西弁なのですが、すらすらと物語に入り込めて関西弁であることを忘れさせてくれる、川上先生と直接会話をしているような錯覚にさせてくれます。これは...この感想を読む
芥川賞受賞作です…が、好き嫌いが分かれそう
芥川賞受賞作品だそうです。…が、読みにくい!! 著者の作品に少し慣れてきた私でも、やはり読みにくいです。読点ばっかり。句点はどこだ!という感じです。関西弁の人なら、もう少し読みやすいのかな?と思いましたが・…(関西弁で書いてあるから)激しく好き嫌いが分かれるでしょうね。これは。中身はそんなすごい事を書いている訳じゃないと思うけど。 「乳と卵」では、登場人物が女性ばかりで、豊胸手術、メイク、初潮、月経の描写が事細かで、必要があるから書いたのだろうけど、少し「うわー」と引いてしまいました。3人のその後が少し気になる、終わり方でした。「あなた達の恋愛は瀕死」は、都会っぽい内容だな、と思ったけれど、よくわかりませんでした。「女」は、自分では知らなかったけど、メイクがおっそろしく下手だったのかな…?そういう事じゃないのかな?よくわからないです。
女性におすすめ
さくっと読めるので、読書が苦手という人にもおすすめの作品。関西弁なので、関西の人は親しみやすいと思う。最初は読みにくい文体だと感じるかもしれないが、慣れればそうでもない。言葉にしにくいような感情を言葉にしている感じ。「かゆいところに手が届く」っていうのかな。女性的である、という意識、ジェンダー意識に悩む感情を上手に表現している。そういうことに悩んだ経験があれば、共感できる話だと思う。生まれる前から、次の世代を作る準備がされているという記述が印象強かった。少し複雑な家族の絆も描かれている。十代、二十代の女性(女子)に、読んでもらいたい。