図書館内乱の感想一覧
有川 浩による小説「図書館内乱」についての感想が5件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
純粋な恋愛です
図書館戦争シリーズ2作目です。今回は耳の聞こえない少女・中澤毬江と図書隊員・小牧の恋を中心に描かれています。とにかく著者の有川浩さんの書く作品は純愛が多いですが、今回も純愛です。素直に応援したくなる恋愛が多くて好きです。小牧が毬江に勧めた本が耳が聞こえない主人公の話で、それに難癖をつけたメディア良化委員会が難癖をつけ小牧を逮捕してしまいます。毬江を巻き込みたくないからと捕まったことを言わないでくれという小牧の言い分は分かりますが、読んでて「もう読んじゃいなよ」といいたくなる自分です。とにかくドロドロした恋愛がないのでスッキリと読み終えることができました。ラブコメ好きにはオススメです。
徐々に、大きなうねりに
表現の自由を脅かされる世界、その自由を守る「図書隊」におけるラブコメ。と書くと、何が何やら……という感もあるが、図書館戦争シリーズ2作目。1作目に比べて、猪突猛進オンリーだった笠原郁の成長が少しばかりあって、落ち着いて見ていられる印象。といっても、ラブコメ感が増してきて、中高生の恋愛を見るような歯がゆい気持ちもちらほら。この巻での新キャラクター、毬江ちゃんに絡む事件は、恋する乙女の強さを実感するばかり。小牧の事件の際、小牧の気持ちを慮る堂上に、毬江の気持ちに立つ郁の違い。ここが、本当に男女の恋愛観の違いの部分なんだろうな、と思うのです。そして、やはり土壇場のときに腹をくくれるのは女、なのかも、と。最後の最後で、なんとなくわかってはいたけれども、郁にとっては青天霹靂の事実が発覚。次巻がますます気になる、展開となっています。
とてもおもしろい作品です。
映画化されているこの図書館戦争シリーズですが、私は原作が好きです。これは図書館戦争シリーズの二作目ですが、一作目を購入しハマってしまってからこの小説も読みました。単刀直入に言うとめちゃくちゃおもしろいです。どきどきわくわくしますし、読むのであれば一作目から読むことを私はおすすめします。ハマっちゃうとだだハマリするので注意です。背景的な図書館のことも気になるのですが、私は登場人物たちの変わっていく様子がとても気になり、続きを読みたくなりました。読書が苦手な方であっても、このシリーズは読みやすく、楽しめるものだと思うのでおすすめです。
ラブコメです
映画化もされて、アニメーション化もされている作品です。図書館戦争という興味をひく題名ではありますが、基本的には色んな設定はさておいて、身長の大きな笠原郁と、身長の低い堂上教官とのなんとも歯がゆいラブストーリーが主な内容です。たしかに図書館を舞台として色々な事が起こるのですが、結局笠原と堂上のラブストーリーに帰着します。トレンディドラマでやりつくされた感がある内容ですが、メディア良化法という一種の飛び道具を使ってラブストーリーを引き立てている感じです。そして、巻を追うごとにその傾向が強くなっていきます。僕はこの巻で見切りをつけました。トレンディドラマのようなラブストーリーが読みたい人にはオススメです。
各キャラクターが活き活きと描かれている
公開中の映画「図書館戦争」を観て、エンターテイメントとして面白かったのですが映画が、またいいところで終わっていて、その後、笠原と堂上がどうなって行くのかが気になるなーと思っていた。調べてみると、どうやら原作はシリーズ化していることを知り、早速読むことにした。映画では、描ききれない細かい背景や、脇役それぞれの見えなかった部分や心情などが、原作ではとても丁寧に書かれているので、登場人物1人1人がとても身近に感じることが出来ます。そして読了した頃には、それぞれの登場人物のことを好きになっている、そんな物語でした。読んだ人の間では「私はこのキャラクターが好き!」などという会話で盛り上がっちゃうだろうなと思うほどキャラクター力がとても強いです。アニメにもなっているそうですが、それも納得ですね。このシリーズでは、まだ恋愛そのものの進展はないのでその後のシリーズで、笠原と堂上がどうなっていくか、しかと...この感想を読む