ヴァムピールのあらすじ・作品解説
「ヴァムピール」は、2007年にモーニングで連載が開始された漫画である。作者の樹なつみは、少女マンガ誌で数々のヒット作を執筆したベテラン作家であり、繊細な絵柄で迫力のある場面展開を繰り広げることで知られる実力派である。ヒット作の中でも、人類とは異なる魔の存在と戦うサスペンス性のあるファンタジー漫画も数回手掛けていたこともあり、今作もその一つである。 主人公の男子高校生「水沫伶(みなわりょう)」は事故で臨死体験をした結果、人の負の生気を食らう吸血鬼の一種と出会い、対峙するようになる。幽霊の類を見たり触れたり、残留思念から感じ取れるという特殊能力を身に付けてしまった、そこから彼の日常が変わってしまうのである。人間の体に完全に同化し、より上位の存在になろうとする魔の存在と、それを感じ取る人間や、浄化する能力を持つ人間との掛け合いから浮き彫りにされていく、人の心の深い闇と人間ドラマが描かれており目が離せない作品である。
ヴァムピールの評価
ヴァムピールの感想
吸血鬼はお化け?
ヴァムピール(吸血鬼)に実態がなく、幽霊のような魂のようなものという設定に、ちょっとビックリ。そんな解釈は初めて聞いたので、新鮮な感じがしました。主人公の伶(りょう)が、事故で一瞬仮死になったとき、ヴァムピールが接触。そのせいで、人には見えないものが見えるようになって・・・作者の得意なパターンですかね。私はそれが好きですけど!伶がよいですね。冷たそうな外見なのに、意外とおせっかいなところがたまらん。そして、出番は少ないけど、伶のお姉さんが好きです。玉の輿願望で、はちきれそうになっているキャラがたまりません。北杜(ほくと)、笛吹(うすい)と気になるキャラクターも出てきてます。この先いろんなキャラクターが出てくるんだろうな。楽しみです
笙の過去が明らかに
謎だった笙の過去が語られます。笙がヴァムピールになった経緯はせつないですね。そんな中、唯一の救いが笛吹さんの存在だったとは・・・過去ではお互い両思いだったけれど、ヴァムピールになってしまった笙と人間の笛吹さんは結ばれることは不可能(強行すれば死が待っている)というつらい関係です。でもストーリー的には恋愛は主軸ではないので(樹さんの作品はそれが多い)、この問題は特に重要視されてないかんじです。それより、新しくヴァムピールになったサビーヌがなにかやらかしそうな予感。あと気になったのが、笙の絵がだんだん幼くなっていることです。1巻ではもっと大人っぽかったんですが。