仏果を得ずの評価
仏果を得ずについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
仏果を得ずの感想
文楽を観たくなる!
ひとことで言えば、「文楽」に携わる人々のお話です。文楽の若手大夫、健が主人公。高校時代の修学旅行で文楽を観劇し、そのエネルギーに圧倒されます。以来、一生をかけてやってみたいと心から思い、芸を極めるために精進しています。その中で義太夫修行での子弟関係、役への葛藤、ひがみや妬み、私生活の恋愛など、様々な経験から芸の上でも人間としても成長していく姿を描いています。興味分野を若いうちに見つけ、一生を捧げるくらいに打ち込み続けてる様子は気持ちよく、そして、辛くて厳しいけれども、それが仕事になっているのは幸せだなと思いました。コミカルな展開で漫画みたいサラサラ読めました。それでいて、初心者でも分かるような文楽描写なので、文楽に無縁な私でも堅苦しさ抜きでスンナリ入ることができました。読み終えたら「文楽が観たい!」と思える1冊です。文楽入門書としてもいいかもです。