おいしい関係のあらすじ・作品解説
おいしい関係は、1993年2月号から1999年12月号の女性向け月刊漫画雑誌・ヤングユーに連載された槇村さとる原作の日本の女性漫画。コミックスは全16巻。文庫版は全10巻。 主人公の百恵が、父の死により生活が一変し、短大卒業後の進路の選択に悩んでいた時に、レストランでの出逢いから、コックの道を目指す物語。1996年に当時としては珍しい女性漫画のドラマ化が行われ、ドラマ版のおいしい関係は、平均視聴率21.8%を記録するヒット作となった。2007年には、台湾でドラマ化され、美味關係~Sweet Relation~の題名で放送され、日本のドラマ版とは異なる魅力が話題となり、日本でも2007年9月から2008年4月まで日本語字幕で放送された。いずれのドラマもDVDと主題歌が発売されている。また、人間模様だけでなく、漫画に出てくる美味しさが読み手に伝わってくる数々の料理も話題となり、再現に取り組む女性愛読者も多い。
おいしい関係の評価
おいしい関係の感想
女性向けグルメ漫画の先駆け
お嬢様がお嬢様でなくなったときから始まる物語主人公藤原百恵は食道楽の父親に何不自由なく育てられたお嬢様だったが、ある日父親が急死したことによって家族を支えるために働くことになる。しかしうまくいかず立ちどまった店の前から漂うコンソメの香りから物語は始まっていく。食道楽の父親と様々な料理を食べてきた百恵の舌の記憶は確かで、旬のものやそれぞれの食材の組み合わせ、調理法など知り尽くしているのに、お嬢様で育ってきただけあって料理だけはできない。このミスマッチが他のマンガとは違って面白く、そしてその欠点を克服していく様がリアルに描かれていた。プチラパンで働き出した当初はお味噌汁を作ることはおろか、じゃがいもの皮さえ剥けなかった彼女が立派にコックとして成長していくところは、当時なにげなくOLとして働いていた私に少し勇気をくれた作品である。いまでこそたくさんのグルメマンガが氾濫しているけれど、当時はそ...この感想を読む
槇村さとるに珍しい料理物
バレエやファッション関係の漫画を数多く描いている、槇村さとるの珍しい料理物。作中に登場する料理はメインがフランス料理で、ちょっと料理が得意なくらいではわからないほどの書き込みがされている。同作者のドゥダダンシンを見ても思うが作者の各業界への取材力に圧倒される。中でも作中で主人公がほれこむ幻のコンソメスープの作り方を公開するシーンは、本格的なコンソメスープにはこんなにも時間がかかる食の芸術品なのだと教えられた。男女の複雑な恋愛関係と槇村らしい倒れても倒れてもまたすぐに這い上がるヒロインが可愛らしい。読んでいるこっちがおなかがすくほどおいしそうな料理がたくさん出てくるのも槇村の表現力の高さがわかる。漫画からドラマになることが当時いまほど多くなかった時代に話題になったドラマの一つでもある、のちにイマジンも槇村原作でドラマになるなど女性ならではの社会進出と恋愛についての漫画を描かせたらおそらく...この感想を読む
おいしいものが食べたくなります!
やってはいけないことですが、この漫画は何かおいしいものを食べながら読むと、 さらに楽しめます♪ 百恵の底抜けに明るい性格も好感をもてるし、周りに出てくる人たちも何だか優しい人ばかりでほ っとします。 織田さんカッコいいし、料理も上手だし、やっぱり料理できる男の人いいわ~ってなります☆ 「プチ・ラパン」みたいな洋食屋さんなんて最近ないよなって思いますが、安くておいしい洋食屋 は、人々の夢ですね~ 私も、おいしいハンバーグやオムライスやコンソメスープ飲みた~い!! あ~、おなか空いてきた(笑) 料理を作るということは、生きる糧を作るというその気持ちが、この槇村さとるさんは持ってるので はないかなあと思います。 食べることに感謝する漫画でもあり、深いですね。 織田さんと百恵の行方もきになるところですが・・・・。