さくらのあらすじ/作品解説

オチがいい。

西加奈子さんの作品はとっても文章表現が豊かでいつも感心するんだけど、この作品も比喩の仕方とか文章のリズムがいい。読みやすい。特に代わりもない普段の出来事なのに、抑揚が出てくる感じ。読んでても楽しくなる。でもその中に、一石を投じるように出来事が起きて、波紋が出来ていく感じ。だんだんその波紋が大きくなる感じ。その文章の流れが、ドキドキさせるし、次のページを読みたくさせる。ひとつの家族が崩れて行くんだけど、ただ暗い、嫌な感じだけでなく、その中にチラっとある救いや笑いがあって、そのリズムがいいタイミング！そして最後のオチ。そうきたか！！って思わせてくれる。最後にホッと出来るそんな本。