夜の国のクーパーの評価
夜の国のクーパーについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
夜の国のクーパーの感想
摩訶不思議な世界へ引き込まれる
伊坂光太郎ワールド時代が違ったり魔法使いが出てくるタイプではないのですが、ファンタジー小説だと言えるのではないでしょうか。小説は「欠伸が出る。人間からすれば・・・」と突然始まり、語り手が人間ではないことにまず驚きます。不思議な視点の小説が始まったと思っていると、「『ちょっと待ってほしいのだが』私はトムという猫に話しかけた」と、猫の回想話を「私」が聞いているという状況をやっと理解します。そこから、どうしてこのようになったのかという混乱を1つ1つ解決するために猫の話を読み進めていく私は、不思議に思いながらも耳を傾ける「私」と重なっていき、すっかり伊坂光太郎ワールドに引き込まれてしまいます。猫目線の話の展開猫の目線で摩訶不思議な世界の話が語られるため、そこの場で起こっていることを客観的な事実として受け止めることができます。猫目線の話の展開に慣れてきた頃に、話の中でネズミが猫に対して意見を主張す...この感想を読む