両国大相撲殺人事件の評価
両国大相撲殺人事件の感想
シリーズ第六弾
耳袋シリーズ第六弾。相撲取りが大名召し抱えだったことや、横綱は名誉職であったことは初耳でした。こういうことがわかるのも時代物の良さですね。私欲のために若い力士を殺めてしまった三人の浪人。それを操る者。今回も根岸肥前のするどい観察力と洞察力が冴え渡ります。ほら吹き男が登場しますが、なるほど嘘も使いようだなと感心してしまいました。囚人のジレンマやいろいろな心理学的なものは、実は昔から人間がさまざまな場面で利用してきたことなんですね。時代は変わっても、人の気持ちはあまり変わってないように思います。妬み、裏切り、疑心、忠義・・・色々渦巻いた人間味あふれる物語です。