遠野物語のあらすじ・作品解説
遠野物語は、1910年(明治43年)に発表された柳田国男による説話集である。岩手県遠野出身の小説家・民話蒐集家であった佐々木喜善によって語られた遠野盆地~遠野街道に伝わる民話・説話・伝承を、柳田国男が筆記・編纂した。当時はまだ確立していなかった日本民俗学に多大な影響を与え発展に寄与した。 柳田は農商務省の官僚当時、農政調査のために全国の農村をまわっているうちに地方の民族に興味を持ち始めた。ある時遠野出身で当時学生だった佐々木と出会い、祖父から教わったという多くの伝承を聞かせてもらうと、その不思議な物語の虜になってしまった。柳田は佐々木の話しを聞き取り、現地を訪ね、推敲を重ね、遂に本書は完成したのである。 内容は、神、妖怪、山人、マヨヒガ、河童、神隠し、死者、動物、行事などに纏わる民話を119話収録している。それらは、神や祖霊への畏怖と感謝、死生観、自然観などを含んでおり、日本人の心の原点にも通じている。
遠野物語の評価
遠野物語の感想
日本民俗を学ぶなら、読むべし。
日本民俗学を学ぶにあたって、一番最初に、読み、レポートを書きなさいと課題がでたのが、この『遠野物語』でした。内容は、大変奥深いものです。昔話や、伝説、土地で受け継がれている信仰、風習などが、項目分けされて書かれています。信仰や風習に関しては、想像できないものがあったりして、他の写真資料などを集めたりして、調べました。けれど、だれもが、聞いたことがある、座敷わらしや神隠しについての伝えも描かれていて、興味をもって読み進めることができます。少々、言い回しが難しく、読みづらいこともあるかもしれませんが、一度読むことをお勧めします。また、この本をもって、遠野地方へ旅に出るのも、素敵かもしれませんね。