ひらいての評価
ひらいてについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
ひらいての感想
開けゴマ!なんて呪文があればいいけど、
綿矢先生嫌いが尊敬に変わりました。女子高生がクラスの比較的地味な男子に恋をする、という設定で、なんだありきたりだな、と半ば読み始めた意地だけで読みました。今、先生に向かって土下座したいほどです。申し訳ありませんでした。舐めてかかってはいけない、甘酸っぱい恋愛小説なんかではありません。大人よりヘビーで、多感な時期だからこその強烈さがギュッと170ページほどに詰まっている作品です。私はこの作品を何気なく手にしたことを運命と呼びます。世間でどうしてこうも綿矢りさという作家が人気なのか理解できませんでしたが、言葉を、文章をここまで巧みに、解けないほどこんがらがっていると見せかけて、実はこことここを引っ張ればするりと解けますよ、と簡単に1本の紐に仕立て上げる作家さんなんだと、この作品を読んで深く納得しました。私はもう綿矢先生に夢中です。愛しているとさえ、思います。不毛。恋人のいる人を好きになった主人...この感想を読む