花もて語れのあらすじ・作品解説
花もて語れは、片山ユキヲによる朗読をテーマにした漫画であり、月刊スピリッツにて2010年から2012年に連載され、同年にビッグコミックスピリッツへと掲載誌を移し、2014年まで掲載された作品である。 主人公の佐倉ハナは、両親が亡くし、叔母の元で育てられ、引っ込み思案な性格であることから不遇な幼少期を過ごしていた。そんなハナは雲を眺めながら空想する癖があり、想像力が豊かであることから、学校の学芸会でナレーターを務めた際に、教育実習生の折口柊二から朗読の才能を見いだされ、朗読の素晴らしさに触れることになる。物語は新社会人としてハナが上京するところから本格的に展開されることになり、朗読教室に通いながらも、その魅力を感じながら、実在する文学作品の登場人物の心理描写や、作品の意味合いを読み解くシーンなどが痛快に描かれている。 本作品は朗読原案と朗読協力に朗読研究家の東百道を起用しており、全13巻が発行されている。
花もて語れの評価
花もて語れの感想
鳥肌ものの演出マンガ
朗読を題材としたマンガ本作は「朗読」を扱った唯一無二のマンガ作品ではないだろうかと思う。「朗読」は非常にマイナーな芸術である。これを単純に説明すると、【文章の読み聞かせであり、「声」と「言葉のみ」で物語を表現するものである。】となる。では、「声による演劇か?」と問われれば違う。声による俳優といえばアニメやドラマの吹き替えを行う「声優」をイメージするだろうが、この「声優」と「朗読者」は別物である。たしかに朗読にもキャラクターを演じるというという一面はあるが、明らかに違うのが「地の文」の存在だろう。つまり風景描写や、人物の行動、心の声、作者視点の注釈などの「セリフ以外」の文章も声で表現されるのだ。声優がキャラクターに命を吹き込むというのであれば、朗読者は人の物語の世界そのものに命を吹き込んでいると言っても過言ではない。この奥深さを伝えたいというのが本作のテーマであろう。「読書は黙読で十分で...この感想を読む
朗読がテーマ
「花もて語れ」は片山ユキオ先生の作品です。人付き合いが苦手で声もすごく小さい女の子が朗読に取り組んでいくというお話になっています。普通、本を読むときは黙読が基本だと思うんですが、この漫画では、朗読の何が優れているのかを描いているのですが、「黙読だと多くの人はそれがわからなくても読んでしまう わからなくても先を読めばそのうちわかるだろう、とか、 わからなくてもあらすじがわかればそれで良いかと思って・・・」というのが漫画の中に出てくるのですが、たしかに・・・と思いました。でも朗読だとちゃんと読み込んで理解してイメージを固めないといけないだからより作品の理解が深まる・・・という事なんですよね。あーなるほどーと思った漫画でした。しかもこれを漫画にするっていうのがすごいよなあ。
花もて語れの登場キャラクター
佐左木満里子
よみがな:ささきまりこ 年齢(作品時):26歳 性別:男性 国籍:日本 所属:大手ファミレスチェーン・レッドベリーの社長令嬢 特徴:上京したハナにとって、一番の親友 特技:文学作品を分析的に読み込む トラウマ:妹の死と、その際に連絡を絶って逃げ出した父親への不信感 生活:大学4年生から、5年にわたって引きこ...