人間どもはこの世界を自分たちだけのものと思っている それを傲慢と言わずになんという?!
桐生高雄
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蒼の封印は、1991年から週刊少女コミックで連載された篠原千絵による作品であり、単行本は全11巻、文庫本は全7巻である。 主人公は美貌の少女、桐生蒼子。ストーリーは彼女は転校初日に気分が悪くなり、保健室で休んでいるところを不良の香椎に襲われるが、香椎が服だけ残して消えてしまうところから始まる。実は蒼子は古代に実在した人喰い鬼の一族の女王、「東家の蒼龍」のクローンだった。人の精気を吸い取ることで人を喰らう能力を持ち、香椎を殺してしまったのだった。蒼子は自分がそんな鬼であることを嫌う。そのため、自分の命を狙う西園寺家の当主、「西家の白虎」である彬に協力し共に鬼門を滅ぼそうとする。そんな中で、彬と蒼子は次第に惹かれあうようになる。しかし、蒼子を再生させた「玄武」の高雄や、彬の異母兄弟達が2人の行く手を阻むのであった。 鬼と人間という、愛し合ってはならない2人の運命と戦いを描く、ファンタジーラブストーリーである。
簡単に説明すると、この『蒼の封印』は人間を喰らう鬼の一族とそれを退治する一族の戦いの物語のです。最後は鬼を滅ぼし、鬼の女王であった蒼子は鬼の力を失うことにするのだなと思わせるところで終わります。鬼とは、人間のエナジーを喰らえる者から、そのまま肉を喰らう者も居ました。その描写がなかなかグロテスクでした。蒼子が吐く玉を普通の人間に飲ませると鬼となります。そして蒼子は実は、クローンなのです。蒼子自身、クローンとして何回も生まれているという事実があって、鬼たちも生きてきたと言われ悩むけれど蒼子は決断するのです。壮大で面白い物語です。お勧めです。この第一巻は、蒼子自身が自分が何者なのかも分からず、でも自分が人間ではないと思い知らされながらも尊厳は失わない強さを見せます。そこがカッコイイです。
桐生高雄
人間ではない種族との会話の一節。人間の生活を脅かす種族を滅ぼそうとする者に対して放った一言だが、この地球であらゆる生態系と共存する人類に当てはまる痛い一言。