100回泣くことの感想一覧
中村 航による小説「100回泣くこと」についての感想が6件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
ありがち
携帯小説かなんかだと思っていた。タイトル的にも内容的にも。あまりこういうかんじの、感動をごり押ししてくるような本はよまないんだけどあまりにも話題になっているので、なんかありがちな設定だなと思いながらも、読んだ。死の宣告をされた彼女とそれをとりまくひととの話。泣ける!という人も多いし、それだからこそ、映画化までされたんだろうけど人が死ぬ→感動 っていうインスタントな感動はもういいんじゃないかと思う。文章量的にはさくっとよめるので、学生の読書感想文とかにいいんじゃないかなと思う。文体も読みやすく、読書になれていないというひとにもおすすめ。
映画を見ようか迷う
普通だな。これがこの作品を読んだ最初の感想でした。映画の宣伝をよく見るので、なんだか気になって見に行ってみようかと悩みとりあえず原作を読んでみました。で、感想は上記の通り。「世界の中心で~~」のような内容だなと。死に直面した気持ちなど、綺麗に書いてあると思います。綺麗すぎる。私には綺麗すぎて受け入れられませんでした。だけど、どっぷり少女漫画が好きな人には勧められるかなと思います。帯に涙を誘うような文言が書いてあったんだけど、そんなに泣ける内容でもないです。ただ、彼女が癌になっちゃう話。こういう作品を読んで思うことは、こういうことは誰の身にも降りかかる可能性があって今健康だと思っていても、明日は分からないってこと。大事な人は大事にしなきゃなってこと。
人の死から今の大事さを感じる本。
彼と卵巣がんに冒されてしまった彼女、彼の飼い犬ブックの病気をキーとしてストーリーが進んでいきます。タイトルを見て、泣いちゃうかもと思ったけど正直に言うと泣かなかった。もちろんブックや彼女が死んだ事は悲しかった。もし彼女が話し手として話が進んでいて、彼女の心情が綴られていたら泣いていたかもしれない。でも、彼が話し手として話が進み、彼の彼女を支えようとする前向きな姿や彼女の死後の落ち込みようが中心として描かれることで読み手は彼女の事や病気のコトを冷静に考えることができるのだと思う。彼女が泣きわめいたりするシーンがないから私たちは、彼女の心情を想像し、胸を痛め、生死について考える。ただ、お涙ちょうだい、というだけの本ではないと思う。
映画化で話題ですね
悲しくせつないストーリーだけれど、リアルで単純ではない。もし自分が愛する人よもり先に死んでしまうとしたら、忘れること覚えていること、どちらを望むだろう。彼女の記憶が曖昧になった時、「これからは藤井君が覚えておいて」と二人の記憶を彼に委ねた。幸せな思い出は、きっと相手の不在を再認識する新たな悲しみになるだろう。忘れることを望んだとしても、全てを忘れるなんて不可能で、記憶を閉じ込めたかったのかもしれない。忘れないでほしい、でも悲しまないでほしいという彼女の切ない思いが伝わってきました。映画は、ストーリーがまた違うようですが、別物として鑑賞したいです。
泣ける、の?
今度映画化されるらしいと聞いた。きっと泣かせる映画になるんだろうな、と思う。でも。中村航さんの本の良さって、これじゃない気がするんだ。この本では、彼女が重い病気になってしまう。なんかもうこれだけでちょっと点稼いでるような(汗)。全体の雰囲気は、中村航さんらしい雰囲気だなぁ、とほんわかするのだけれど、ラストには、「えっ、これで終わり??」となってしまった。自分のことを後悔するのはいいよ。でもその先は?この本が出た後、「『100回泣くこと』の中村航」という言い回しをそこかしこで見るようになったので、一部の人たちの感動は誘ったのだろうと思うのだけど、どうも釈然としないものを感じてしまう。
1日1日は何気なく過ぎていくけどどれも大事なんだって気付かされました。
表紙とタイトルに惹かれて購入しました。あと帯部分に泣ける的なことが書いてあったのも決め手でしたね。一体どこで泣けるんだろうって考えつつ1ページ1ページ読んでいくうちにここかな?泣けるのはって勝手に想像したりもしましたが、予想とは違い、恋愛のところでグッとくるものがありマシタ。それはふとした日常の出来事が書かれていて共感できる部分もたくさんあり、優しいなこの彼氏って羨ましくなる部分もありました。こんな幸せな日常がずっと続いていくのかなって思っていましたけど。後半部分に悲しいことが起こってしまいました。その時に昨日までのことがずっと昔に感じたり、なんのへんてつもない日常の時間や会話がどんなに大切だったか。特別な事だったかを思い知らされました。1日1日を大事に生きていかないといけないなって思わされた物語でした。