誰もがあの戦争の被害者(casualties of war)なのだろう
生々しい戦争ベトナム戦争は、冷戦時代のアメリカと旧ソ連がベトナムの地を舞台に戦った資本主義と共産主義のいわゆる代理戦争だ。戦争が激化する1965年(昭和40年)にはアメリカが本格的に軍事介入した。僧侶がガソリンで焼身自殺を図ったり、武装ゲリラ対策と称して村人が殲滅されたり、枯葉剤を散布したり、何かとショッキングなベトナム戦争のニュースは、世界で初めてテレビ中継された。この戦争を題材にした作品はアメリカ映画だけでも数えきれないほど存在するが、その多くは反戦のメッセージが強く、凄惨を極めた戦場の様子をリアルに描写することで戦争の恐怖を表現したものが多いという印象を受ける。そんなベトナム戦争がテーマになっている映画ということで、退役軍人の回想シーンから始まるあたりから来るぞ来るぞと身構えて観ていた「カジュアリティーズ(casualties of war)」だが、想像していたほど刺激の強いシーンが多いわけでもなく、わ...この感想を読む
3.03.0
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