南極料理人のあらすじ・作品解説
南極料理人は2009年に公開された日本の映画。内村淳(海上保安官出身)のエッセイが原作となっている。 癒し系の人間ドラマで、その料理人を演じるのは、ドラマ「半沢直樹」「リーガルハイ」など、話題の作品でも主演をつとめた堺雅人。 日本から遠く離れた土地、南極ドームふじ基地にやってきた8人の南極隊員達。離れた家族を思いながらも懸命に任務を全うする隊員達のために、時には贅沢な食材で豪華な料理を振舞う西村(堺雅人)。そんな西村の料理は、娯楽も限られた、ウィルスさえも存在できない極寒の土地では隊員達の唯一の楽しみとなる。家族が待つ日本までの距離14000km、これこそ究極の単身赴任。 南極隊員たちに生瀬勝久、きたろう、高良健吾など、個性派俳優達が終結。フードスタイリスト飯島奈美が手がける思わずお腹が減ってしまう、美しい料理の数々も見物である。本作で、沖田修一監督は2009年度新藤兼人賞金賞を受賞。堺雅人は第31回ヨコハマ映画際で主演男優賞を受賞している
南極料理人の評価
南極料理人の感想
まとまりのない人たちが料理をかすがいに共に生きて行く面白さを描く
どこにあっても人は所詮凡庸である2009年作品。タイトルのとおり、「南極観測隊の人々のために、共に南極に住み、料理を作る仕事をする人」の物語。この設定には理屈抜きで誰もが興味をそそられるのではないでしょうか。「滝を見に行く」の沖田監督のメジャー長編デビュー作だったんだ、ということと、このキャッチーな舞台装置を理由に、特に深く考えないまま見てみることになったこの作品。少しも深刻ぶったところがなく、終始くすくす笑いで楽しめ、そして見終わったあとには胸に温かいものがほんのり残る良作でした。「南極観測隊」という言葉の響きはいかにもドラマチックなのに、作品のトーンは非常にゆるゆるとした、牧歌的なものです。あくまで地味でルーティーンで、ひたすらうだうだとした日常。そこには南極観測隊!的マッチョなヒロイズムは存在しません、拍子抜けするほどに。格好いいとはいえないむさくるしい男たちが格好悪く共同生活を営ん...この感想を読む
凝縮された人間ドラマ
思わずニヤっと笑ってしまうようなゆるいコメディ。これを20代前半の男女が演じて、舞台が学校だったら青春群像劇と言えるのだろうが、中年のおじさんたちが主人公で舞台が南極だったら何と表現すればいいのだろうか。けれども味は十分に染み出る程で、一人一人が愛されるべきキャラクター。特にきたろうさんとラーメンのくだりは爆笑。バカバカしいのだけど南極にいる彼らにとってラーメンがいかに大切な存在なのか。これからラーメンを食べる時にはもう少しありがたく頂きたいと思う。南極という現代社会から切り離された土地で研究を続ける観測隊。実際は違うのかもしれないが、こうであればいいな、と思わせる人間ドラマが詰まっている。
退屈な日常って幸せと思ってしまいます
ウィルスさえ住めない極寒かつ高度が高く、空気の薄い富士ドーム基地で暮らす南極観測隊の越冬生活を、調理担当の海保職員の目から描いた作品です。彼は、本来、南極に行くつもりなど、毛頭ありませんでした。しかし、南極観測隊になるという夢をかなえた同僚が不慮の事故で亡くなってしまい、急遽、単身赴任命令が下るのです。それでも、めげることなく、日々を送っていくその前向きな気持ちには、本当に拍手したくなrます。全体としては、ほのぼのコメディタッチです。狭い空間、限られたメンバー、制限の多い厳しい生活ということで、もちろん、対立する人同士が現れたり、心がすさんだり、折れたりする人が出たりもします。そんな人間の弱ささえも、笑いたっぷりに描かれていて、決して暗い気持ちにはなれません。むしろ、「あるよね、こういう気持ちになること」と無性に納得して、解決する度にほっとします。ただ、調理担当の人の目線で描かれている...この感想を読む
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