退屈な日常って幸せと思ってしまいます
ウィルスさえ住めない極寒かつ高度が高く、空気の薄い富士ドーム基地で暮らす南極観測隊の越冬生活を、調理担当の海保職員の目から描いた作品です。彼は、本来、南極に行くつもりなど、毛頭ありませんでした。しかし、南極観測隊になるという夢をかなえた同僚が不慮の事故で亡くなってしまい、急遽、単身赴任命令が下るのです。それでも、めげることなく、日々を送っていくその前向きな気持ちには、本当に拍手したくなrます。 全体としては、ほのぼのコメディタッチです。狭い空間、限られたメンバー、制限の多い厳しい生活ということで、もちろん、対立する人同士が現れたり、心がすさんだり、折れたりする人が出たりもします。そんな人間の弱ささえも、笑いたっぷりに描かれていて、決して暗い気持ちにはなれません。むしろ、「あるよね、こういう気持ちになること」と無性に納得して、解決する度にほっとします。 ただ、調理担当の人の目線で描かれているので、とてもおいしそうな料理がいろいろ登場します。特に、ラーメン好きの人のために、試行錯誤する辺り、なんだか無性にラーメンが食べたくなってしまいます。ラーメン好きさんは、ラーメンを用意してからご覧になってくださいね。
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