ブラックホーク・ダウンのあらすじ・作品解説
1993年の10月、アフリカのソマリア、モガディシオで実際に発動された米軍の作戦を、当時の兵士達や、ソマリ族にも聞き込み調査をして纏めた小説「ブラックホーク・ダウン」が原作となっており、2001年、リドリー・スコットによって映像化された作品である。日本では2002年に公開された。 これまで、ブラックホークヘリコプターと呼ばれるUH-60は最強のヘリとして兵士達からの信頼も厚く、長く運用されていたが、モガティシオの戦闘において、民兵からの砲撃により墜落する事となる。仲間は決して見捨てないという信念の元、精強のレンジャー連隊と、最精鋭のデルタフォース隊員達が、墜落現場へとパイロット救出に向う中、再びヘリが撃墜される。 この作戦に従軍して生き残った兵士達が数名、カメオ出演などを果たしており、本人役で出演したヘリパイロットなども存在する。 公開当時はイラク戦争と重なったこともあって批判的意見が多かったが、2015年時点では、傑作戦争映画にあげられる程の高評価を得ている。
ブラックホーク・ダウンの評価
ブラックホーク・ダウンの感想
緊張感のある戦闘シーン。
1993年、ソマリアで決行されたアメリカ軍特殊部隊タスクフォースの捕獲作戦。30分で終わるはずの作戦は、ヘリ・ブラックホークが2機撃墜され、18名のアメリカ軍兵士が死亡し、ソマリア側にも1000名以上の犠牲を出して失敗に終わった・・・ベトナム戦争以後、初めてアメリカ軍が多くの死傷者を出した作戦の、全貌を描いた作品です。アメリカの一方的な武力行使であった本作戦を、戦闘シーンでかなりリアルに描いていて、兵士たちの緊張感、戦場の迫力などは危機迫ったものがあります。ストーリーはアメリカ軍をやや英雄化しているようにも見えましたが、戦争の無情さ、戦うことの理由などについて考えさせられる作品でした。出演している俳優陣の熱演が素晴らしかったです。
かなりリアルな戦争映画
戦争映画と言えばハリウッドに関しては先入観があった。アメリカ万歳の一方的で正義があるとばかりにやっつけまくるようなものや、かなり創作性の濃い洗浄を舞台とした物語である。本作は実在の事件を元にしており、その点では現実的な制約や政治的な圧力があるとは思うが、意外にもかなりリアルな描写であった。もちろん映画だから多少の脚色や修正もあるだろうが、兵隊たちの描き方もそれぞれに個性があり、軍隊の宣伝のようなどこか綺麗事や美化に彩られたものでない。圧巻なのが戦闘シーンだ。現実の戦闘をかなり研究したのだろうと思えるぐらい迫力があって、今までの戦争映画とは違う。この戦闘シーンだけでも見る価値はあったと思える作品だ。こうしたリアルなものが芸術映画よりのものやドキュメンタリーにはあるが、それだとどうしても映画としての面白さが少ない所がある。現実の事件を舞台にして、それなりにここまで映画として見れる作品に仕上...この感想を読む
全編ほぼ戦闘シーン
あまりの戦闘シーンの凄まじい映像に気分を悪くしてしまう人もいるのではないだろうか。実際の戦争は映画以上だろうが、娯楽の映画として見るには辛いと感じてしまうシーンも多い。全編のほとんどが戦闘シーンというのもあって、気軽に勧められる映画ではない。簡単なミッションの予定であったが、想定外のことが次々に起こってなかなか進まない。引き上げることもできずに、応急処置に次ぐ応急処置。市内を走り回っている兵士は迷走状態となっていくが、観ている方も気を張って観ていないと頭が迷走状態になってしまう。仲間を助けるためにヘリを降りる選択もある。それはすなわち死を意味すること。仲間の素晴らしさを感じると同時に、戦争の無意味さも痛感する。