さすがフランス映画
バルタザールどこへも行けずまさしくフランス映画らしい小難しい映画であった。「バルタザールどこへ行く」というタイトルから想像すると、バルタザールというロバがどこかに行ってしまい、それを探す物語ではないかと思っていた。しかし、実際はそんな感動的なラストを迎え得る物語ではなく、かなり重々しい物語である。ロバの視線を通して人間世界の醜さや悲劇さを描いていくといった内容なのであろう。とても痛切な仕上がりになっているが、あまりにロバの扱いがひどすぎると感じた。ロバに対する暴力といい、サーカスをやらされたり、労働させられたり、人間世界の醜さよりもロバの数奇な人生の方が圧倒的に目に留まる。途中で檻に入れられた動物が映されるが、その描写から人間に飼われる動物の悲惨さも本作では描こうとしていることが伺える。そこを鑑みると私としては、本作は人間達の醜さを描いているというよりも、人間に虐げられる動物の悲劇を描...この感想を読む
3.53.5
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