アンダーグラウンドの評価
アンダーグラウンドについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
アンダーグラウンドの感想
圧倒的な「20世紀最高の映画」
再上映を観にいった時「20世紀最高の映画」とポスターに書いてあった。「まさかなあ」と思ったら、実際観てみてぐうの音も出なかった。最初文学で言えばギュンター・グラスやガルシア・マルケスのような猥雑で突拍子もない展開に面食らうが、ストーリーが進むにつれ、メタフィクショナルな表現も交えつつ、だんだん話が深刻になっていく。クライマックスは引き裂かれたユーゴスラビアとその国民の慟哭の声が耳を覆うようだ。この作品はリアリズムもマジックリアリズムも超えている。後世の要求するドラマティックな史観を皮肉り、ほとんど歴史そのものを懐疑の中に放り込んでしまうが、歴史に翻弄された人々の痛々しい傷だけは疑いようのない真実だとこの映画を観て感じた。