わが谷は緑なりきの評価
わが谷は緑なりきについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
わが谷は緑なりきの感想
ああ、たしかに美しい緑の谷だ
過去の記憶は美しいこの映画は、過去の物語だ。もちろん太平洋戦争すら始まる前の映画という意味もある。巨匠ジョンフォードの傑作という意味もある。だが、冒頭の老人の手を見て欲しい。これが、物語の語り手の現在なのだ。彼は、この物語が全て過去のもので、美しかった全ては「今」はないことを語る。そうだ、この映画が公開された1941年から見ても過去の物語なのだ。過去は、そうあってほしかったという語り手の願いによって彩られる。これは、そういう話だ。本当に、谷は美しく緑なのだ老人の記憶のなかの炭坑の街は、すばらしく緑だ。モノクロ映画であるにもかかわらず。モノクロ映画で色を見せるには工夫がいるはず。(有名どころでは黒沢映画の椿三十朗で赤い椿を見せるのにすべて墨で塗ってしまった、というのがある)いやはや、ジョンフォードはどうやってこの鮮やかな谷を撮影したのか。そして美しい姉が彼を呼ぶ声が響く。やがて、彼が誇るたく...この感想を読む