十二人の怒れる男のあらすじ/作品解説

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十二人の怒れる男のあらすじ・作品解説

十二人の怒れる男は、「女優志願」であたシドニー・ルメットが監督したレジナルド・ローズのTVドラマを映画化した作品である。1957年4月13日にアメリカにて公開され、日本では1959年8月4日に公開された。撮影ポリス・コーフマン、音楽ケニョン・ホプキンスが担当している。キャストには、8番陪審員「ヘンリー・フォンダ」1番陪審員「マーティン・バルサム」3番陪審員「リー・J ・コップ」10番陪審員「エド・べグリー」4番陪審員「E・G・マーシャル」を起用し、撮影日数わずか2週間と短期間で制作された映画である。 17歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の討論が始まり、誰が見ても有罪と思えたその状況下の中で、ひとりの陪審員が無罪を主張した事から物語は動き始める…。 シドニー・ルメットは1957年度「第7回ベルリン国際映画祭金熊賞」「国際カトリック映画事務局賞」を受賞。1957年度アカデミー賞にて作品賞などの3部門ノミネート作品である。

十二人の怒れる男の評価

総合評価
4.384.38
(4件)
映像
4.004.00
脚本
4.634.63
キャスト
4.384.38
音楽
3.753.75
演出
4.254.25

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十二人の怒れる男の感想

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正しく考え、判断することの難しさ

少年の父親殺しの罪が死刑になるかの裁判。12人の陪審員たちがある部屋でその裁判について議論をする様子を描いている。1957年アメリカの映画。少年は有罪か無罪かを議論するため、ある部屋に集められた12人の陪審員。12人のうち11人が有罪を主張するが、ただ一人、無罪を主張する者がいた。それを聞いた有罪を主張した11人たちは…。この映画の見どころは、正しく物事を考え、判断することが、いかに人間にとって難しいか、というところだろう。裁判は、陪審員たちには実際には無関係な問題といえる。それゆえ私事、固定観念にとたわれた決定を、何度も下しそうになる姿が実に見苦しく、かつ人間らしい。過去に起こった、見てもいない事件を知ろうとすることは、困難で危険を伴う。そのストレスにさらされた12人の陪審員たちの逃げ出そうとする心理や、逆に立ち向かおうとする心理が丁寧に描かれていて、惹きつけられてしまう。この映画の...この感想を読む

4.54.5
  • ayaaya
  • 59view
  • 512文字

人間は誰しも完璧ではない

裁判員制度の難しさを、この作品以上に的確に解りやすく描いている作品を知らない。評決は12人全員一致でないと提出できないのだが、11人が有罪であると判断する中、1人だけ無罪であると主張する。この場合における無罪というのは、被疑者の17歳の少年が罪を犯していない、とするものではなく、判断できない、という意味だ。もしかしたら罪を犯しているかもしれないし、犯していないかもしれない、しかしどちらにせよ、今法廷で聞いてきた話や提出された証拠、証人の話では、疑問の余地が残る、よってもう一度法定で議論する必要がある、というものだ。日本とアメリカでは裁判の仕組みが違うが、裁判員の判断によって一人の人間の人生が決まるのは同じだ。そのことを深く考えさせてくれる。一幕劇としても、弁論が戦う劇としても、一見の価値はある。派手なアクションシーはなくても思わず引き込まれて、あたかも自分も同じ部屋にいる錯覚に陥る。途中で降...この感想を読む

5.05.0
  • 95view
  • 416文字

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