マイ・フェア・レディの感想一覧
映画「マイ・フェア・レディ」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
明るく楽しく
有名なミュージカルで、観ているほうも楽しく明るい気持ちになれる作品だと思います。確か学校でバーナード・ショウの「ピグマリオン」を勉強したときに、このお話の元ネタである、というように聞いたと覚えているのですが、結末はこちらのほうが明るくていいですね。優雅なイメージのヘップバーンが、お行儀もなにもあったもんじゃない、というチャキチャキの下町娘を演じるのも魅力的だと思いました。そして、彼女のお父さんもいいキャラクターです。怠け者で働くことがキライなのに、演説をさせたらものすごくうまい、なんて文学作品の宝庫であるイギリスの庶民としていかにもありそうで面白いです。音楽も最高、誰でも一度は耳にしたことがあるでしょう。ヘップバーン本人の歌声ではないそうですが、そういうことを抜きにして単純に楽しめます。
中学生の英語を始めた頃に観て衝撃を受けました
名作中の名作ですが、オードリーの美しさを観るためだけでもじゅうぶんに楽しめる作品です。一方、これを初めて観たのは中学生の頃だったのですが、英語にも美しい言葉と汚い言葉があって、それで育ちの良し悪しがバレてしまうとは・・・と、衝撃を受けたことを思い出します。そして、いちばん見応えがあるのは、帽子!!ヨーロッパ、特にイギリスでは競馬の鑑賞には帽子が欠かせないんですよね。意匠をこらした美しい帽子たちを観ているだけで、うっとりしてしまいます。ちなみに、現在でもイギリスでは競馬の鑑賞には美しい帽子をかぶります(ドレスを着なくなった現在では、コンパクトなものが多いですが)。言葉が美しくなって恋に落ちるストーリーって・・・と、ちょっとびっくりもしますが、そんなことはお構いなしに、とにかく見た目に美しく、楽しい映画だと思います。
ああ、オードリー
衝撃を覚えた映画。いわゆる成り上がりストーリー。シンデレラ・ストーリーという捉え方で正しいのだと思う。言語学の教授・ヒギンズ教授が町の花売りの娘・イライザを一流のお嬢様に仕立て上げるとう話。なんだか近代の作品でも似通ったものを知りませんか? クラスで地味な子をプロデュース! 地味な同僚が一気に華々しいOLに変身! こういった物語に心覚えがある方は、その原形といってもいいこの作品を観た方がいいです。下町育ちのイライザは口が汚く、まともな発音もできない。聴くに堪えない彼女の言葉を、根気強く矯正させるヒギンズ教授とのやり取りが面白いです。また、日本人にとっても役に立つ英語の発音フレーズが出てきます。The rain in Spain stays mainly in the plain.In Hartford, Hereford and Hampshire hurricanes hardly ever happen.意味はさておき。これを早口で言えるようになる。意外に難しいです。ここら辺の会話シーンを...この感想を読む
英語学習者には身につまされる映画
ヒロインである下町の花売り娘がひょんなところから知り合った教養ある英国紳士である博士に、レディとしての振る舞い方、そして何よりも綺麗な言葉づかいなどの訓練を受けて社交界デビューを図る物語です。最初は下町らしいおきゃんなところもあるヒロインは、根気強い博士の訓練によって発音も徹底的に直されます。このあたり過去に英語の発音の練習で苦労したことがある人は身につまされるでしょう。こうして立派なレディーの育てられたヒロインは見事に社交界にデビューし、途中はあぶない所はありつつも正体がばれずに数々の男らを魅了します。博士が試みは大成功に終わりますが、博士とヒロインの間にあつれきがおき一度距離ができます。そして離れている間に博士とヒロインは本当の気持ちに気づき、映画の結末へと向かいます。