鳥のあらすじ・作品解説
サスペンス界の巨匠であるアルフレッド・ヒッチコック監督作品鳥は、1963年に公開された動物パニックの原点とも言われるホラーパニックムービーである。ダフネ・デュ・モーリアの同名短編小説を原作に、ヒッチコック監督ならではの視点で描かれている。 舞台は穏やかな漁村。突如、なんの前触れもなく1羽のトリが人を襲った。それは恐怖の始まりでしかならず、悪の組織のごとく、1羽は群れを作り、巨大な隕石の塊のごとく、村の人々を次々に、無作為に襲う。パニックに陥る村人たち。室内に身を隠したとしても、狙われたら最後、狂ったように窓を突き破り、羽の音をならしながら空腹を満たす為に人間に群がる。 人間を襲うとき、恐怖を助長するBGMを持ちいらなかったことにより、よりリアルな恐怖を与えた本作品は時代を越えて人々を恐怖に陥れ、2007年に同名タイトルにて再度映画化されており、ヒッチコック監督の静かな恐怖とひと味違う、残虐な描写が特徴的である。
鳥の評価
鳥の感想
静かに忍び寄る恐怖
ヒッチコックの「鳥」まず「鳥」というシンプルで直球なタイトルに惹かれます。ダフネ・デュ・モーリアの同名短編小説を、ヒッチコックが良く映画化にしたと感心しますし、動物パニック映画のパイオニアとして、非常に重要な立ち位置の映画でもありますね。初めて「鳥」を観た時は、複雑な人間模様は個人的に要らないかなと感じていました。ですが気になる男性を落とそうとするメラニーと、子離れしない母親リディアの関係性、鳥が人を襲うのはメラニーのせいだと考えるレストランにいた子連れの母親など、人間が持つ心の弱さなどが、鳥という生物から次第に垣間見られる物語は少し怖かったです。鳥が人を襲うのは、そういった他人の迷惑を考えず、自分勝手に行動する人たちを「鳥」という自然の驚異で懲らしめたいというヒッチコックの思惑があったのではと思ってしまいましたミニマムな世界観からの世界終焉を予感させるこの物語は1つの田舎町で起こる恐...この感想を読む
アニマルパニック映画の原点にして、最恐の映画!
ヒッチコック作品で最も好きな映画です!内容については是非実際にみていただければと思います。実はこの映画はある事件がもとに作られています。1961年8月18日(月日は私の誕生日笑)、カリフォルニア州キャピトラの町でハイイロミズナギドリが騒がしく鳴き、道路が鳥の死骸でいっぱいになるという事件がありました。理由はドウモイ酸中毒(記憶喪失性貝毒)と報じられていますが、この記事のコピーをヒッチコックは「最新スリラーのための研究資料」として収集し、短編小説『The Birds 』の脚本家としてエヴァン・ハンター(エド・マクベイン)を雇いました。この事件をもとに2人は物語を発展させ、実は町の人々が罪を隠していて、それを鳥が罰していくというような内容に仕上げていきました。ハンターは映画の冒頭をスクリューボール・コメディ手法(ロマンティック・コメディ手法ともいい、変化球であるスクリューボールのような変人男女の恋愛模様)を取...この感想を読む
集団となった鳥が恐怖のどん底に人間を陥れる
サンフランシスコから70マイルほどにあるボデガ湾。そこは海と自然に溢れる穏やかな場所だ。そんな平和な場所を舞台に、集団で鳥が人間を襲うというパニックが起こってしまう。いかにもヒッチコック的なストーリーです。特に穏やかに生活する人々の光景の中で、徐々に鳥の襲撃が始まるシーンは7回も登場します。それらのシーンが少しずつ積み重ねられ、次第に恐怖の感情がエスカレートしてゆくといった演出は実にお見事です。特に主人公メラニー(ティッピー・ヘドレン)の家を鳥が襲撃するシーンは、実際に鳥の姿を写さずに音響だけで恐怖を味わせるなどいろいろな工夫がされています。CGの技術などない中で、合成と演出だけでこれだけの映画を造ってしまうとは!
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