八月の鯨のあらすじ/作品解説

人生の深さを感じます。

映画史に残る名女優、リリアン・ギッシュとベティ・デイヴィスが演じる老姉妹は、人生の深さを感じさせました。彼女達の女優としての華麗な軌跡を思い浮かべると、老いる事の寂しさのようなものも感じさせます。ベティ・デイヴィス演じる姉のリビーはプライドが高く、それゆえの孤独感を増してしまいます。その孤独な表情がとても印象的です。また、その様子を悲しく思うリリアン・ギッシュが演じる妹セーラの表情も切なくて素晴らしいです。ラストシーンの二人の老女と、青く美しい空と海、草花の瑞々しさが、対照的ではなく、むしろ見事に調和しており、それは、人生の奥深さを知った者だけがもつオーラによるものなのかもしれないと思いました。