アイアン・スカイの評価
アイアン・スカイの感想
決して名作ではないがSF好きをしっかり唸らせてくれるような作品
映画を見た人であれば分かると思いますが、正直なところこの作品はB級SF映画の中でも名作に分類することは極めて難しいような存在です。ストーリーにほとんど関係がないような無駄な人間パートが多く、テクノロジーの格差などSFに関する内容も中盤からはあまり触れられなくなり、そもそも地球での話の割合が多く宇宙は最初と終盤しか舞台になりません。それでもこの映画には、決して名作ではないけれど視聴後に見て良かったと感じられるような不思議な魅力があると私は思うのです。ここでは、その理由を分析しました。B級SF映画としての基本を押さえている細かい考察による綿密な世界観設定や、用いられるテクノロジーの解説、これまでにない奇想天外なストーリー展開、物語を通して伝えたいテーマ性、主人公たちの葛藤や対立、団結など、A級SF映画に求められることは複雑かつ様々です。一方B級SF映画に求められることはそれほど難しくありません。しっかり...この感想を読む
風刺の効いたSF映画
制作国フィンランドという、ちょっと毛色の変わったSF映画です。第三帝国ナチスが実は滅んでおらず、月の裏側で第四帝国という帝国を新しく作っていたと言う設定からB級っぽいにおいがプンプンします。話の設定も面白いですが、出てくる人たちもかなり皮肉が効いていて、サラ・ペイリンそっくりな人が出てきたりして、笑い所は結構多いです。SFとしてよりも、コメディとして見ると楽しめるのではないでしょうか。ライバッハが担当した音楽もかっこよかったし、悪くない映画です。そして映画の製作費のいくらかをファンからのカンパで集めたと言う、何ともファンと関わりの深い作品です。