アラバマ物語のあらすじ・作品解説
アラバマ物語は、1962年制作のアメリカ映画でロバ-ト・マリガン監督作品。主演はグレゴリ-・ペック。ロバ-ト・マリガンの主な監督作品は、『おもいでの夏』・テレビ映画では『月と六ペンス』などがある。主演のグレゴリ-・ペックは『パラダイン夫人の恋』・『白昼の決闘』・『ロ-マの休日』・『ナヴァロンの要塞』などの代表作があり、『アラバマ物語』ではアカデミ-賞主演男優賞を受賞している。この作品は、不況の風吹く1932年、南部アラバマ州。幼い息子と娘を抱える弁護士フィンチに、暴行事件で訴えられた黒人トムの弁護の人が下る。だが偏見根強い町の人々は黒人側い付いたフィンチに冷たくあたるのだった…。いつの年代にも色濃く残る社会問題を背景に、ピュ-リッツァ賞を受賞したH・リ-、劇作家H・フ-ト(オスカ-受賞)社会派ドラマを多く手掛ける制作アラン・J・パクラ(代表作・大統領の陰謀、ソフィ-の選択など)=監督ロバ-トマリガンのコンビが絶妙である。
アラバマ物語の評価
アラバマ物語の感想
マネツグミを殺す
今じゃ映画において黒人差別問題はもはや副題で、自虐的なセリフとして現れるか、歴史物として表されるのが普通となってきているけど、これは差別を乗り越える前の、差別が当たり前だった時代の副題的描き方のように感じました。偏見があるのが普遍だという描き方。価値観や社会的偏見って50年でも随分変化するものだなあ、と考えさせられました。映画の楽しみって、監督の当たり前が映し出されるから地域を超えた価値観の違いがわかるというのもひとつだけど、時代差もまた楽しめるポイントのひとつだと思います。「マネツグミを殺すのと一緒よ」という最後の女の子のセリフは、理不尽な世の中を変えていくには犠牲者が必要だということだったのだろうか、と考え込んでしまいました。なかなか深いセリフでした。マネツグミを殺すのと一緒よ、というのは、周りから犯人だと思われている者を犯人だとして(社会的に)殺して、それで物事を解決したように見せ...この感想を読む