死こそ静けさの初めての夜 「高校教師」
この映画「高校教師」は、陰鬱で、言いようもなく、暗い炎が燃え盛る愛のドラマだ。 なんという苦さ、なんという虚無感だろう。 この映画は、イタリアの叙情派のヴァレリオ・ズルリーニ監督の、いわば"心情的"な自伝映画なのだと思う。 イタリアのリミニの町へ、高校の臨時教師としてやって来た、37歳のダニエレ・ドミニチ(アラン・ドロン)は、成熟した19歳の美しい女生徒ヴァニーナ(ソニア・ペトローヴァ)を、本当に愛したのだろうか。 寡黙で拒否的な、謎めいたこの教え子に「君の痛みや、どうにもならない憂鬱を見ていられないんだ」と近づく彼の、それは恋慕というより"自己愛"ではなかったのか。 彼が生徒の前で口にする、イタリアの詩人や文豪、ペトラルカやマンゾーニやレオパルディの作品には、たとえ恋の憧れを謳おうとも、"厭世の影"が色濃く漂うのだ。 そして、その翳りは、そのままダニエレのものなのだ。 暗い暗い絶望感でもあるのだ。 かつて...この感想を読む
4.54.5
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