スケアクロウのあらすじ・作品解説
1973年に公開されたアメリカ映画で、監督は「哀しみの街かど」のジェリー・シャッツバーグ。気のいいマックスと神経質なライオンの友情を描いたロードムービーである。 カリフォルニアの町はずれの道路で偶然出会った2人の男。6年の刑期を終えたばかりのマックスはデンバーに住む妹コリーに、5年間の船員暮らしを引退したライオンはデトロイトにいる妻アニーと生まれているはずの子供に会うため共に旅することに。気が合った2人は洗車屋をやろうと盛り上がる。 けれど、デンバーではバカ騒ぎの末、30日間の強制労働を課せられ、ようやく向かったデトロイトでライオンを待っていたのは妻の冷たい言葉であった…。 2人のダメ男、人のいいマックスを「フレンチ・コネクション」「ポセイドン・アドベンチャー」のジーン・ハックマン、次第に心を病んでゆくライオンを「ゴッドファーザー」「狼たちの午後」のアル・パチーノが演じ、深く心に残る名作となった。 1973年のカンヌ国際映画祭パルム・ドール賞、国際カトリック映画事務局賞を受賞している。
スケアクロウの評価
スケアクロウの感想
アメリカン・ニューシネマの頂点を示すジェリー・シャッツバーグ監督の秀作
ワーナー・ブラザース映画創立五十周年記念作品である、このジェリー・シャッツバーグ監督の「スケアクロウ」は、1960年代後半から1970年代前半にかけての、いわゆる"アメリカン・ニューシネマ"のひとつの頂点を示す秀作です。 旅をする人間は、アメリカ映画の永遠の登場人物で、この旅する人間を描く事は、アメリカ映画の"永遠のテーマ"でもあり、"ロード・ムービー"と呼ばれていますが、アメリカン・ニューシネマの抬頭以降、このテーマは何度も繰り返して取り上げられ、純化して来たと言えます。 そして、"孤独な人間同士の結びつき、現代人の抱え込んでいる疎外感"などを描いて、アメリカという国の素顔をのぞかせようとする映画が続々と製作されていた時代の正しく、この映画はその思想のひとつの到達点を示す作品になったと思います。 監督のジェリー・シャッツバーグはスチール・カメラマン出身なだけあって、斬新でスタイリッシュな映像表現を見せて...この感想を読む
若き日のアル・パチーノの魅力
アメリカの荒涼とした大地を舞台にしたロードムービーが好きアメリカ大陸を舞台にしたロードムービーが好きです。どこまでも続く埃っぽい荒涼とした大地に一本、地平線までどこまでもどこまでも続く道が続いている、あの独特の風景。水も電気も何も無く、こんなところにひとり取り残されてしまったらと思うような心許なさなのに、同時に広々とした自由な気持ちになる。その圧倒的な景色は、生きるということの意味を限りなくシンプルに感じさせてくれます。その危険と隣り合わせの自由な感じが、果てしのない感じが無性に好きで、時々この風景が見られる映画を探して見てしまいます。作品は荒涼とした大地に、どこから現れたのか、徒歩で柵をくぐって車道にやってくるマックス(ジーン・ハックマン)の映像から始まるけれど、ちょっと「パリ・テキサス」のようです。埃っぽい道をタンブル・ウィードがくるくると回りながら風に運ばれて行く。アメリカの大部...この感想を読む
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