目隠しの国の評価
目隠しの国の感想
揺るがない気持ちに読んでいるこっちが感動する
よくある能力なのに毒がない人に触れると未来が見えてしまうかなで、過去が見えてしまうあろう、より鮮明に未来を見る並木。今まで変人扱いされて生きてきたこの3人が、どのように心を通わせ、目の前で起こった問題・これから起こる問題を解決していくのか。それがこの物語のテーマになっていると思うんですが、すごく優しいお話だと思います。確かに、辛いことの描写はあるんですけど、それよりも出会った人たちのこれからを変えて幸せに導こうとするそのメンタルの強さ、すばらしいと思います。だいたいはこういう能力を悪用する人物がいて、確かに並木さんも株を当てさせてあげたりいろいろ悪いこともしていましたが、それほど悪!ってものは出てこなくて、些細な日常の中で出会う、危険や幸せに直面したとき、何が自分たちにできるんだろう?持っている能力とどう向き合っていったらいいんだろう?ということが語られていきます。1巻ですでにかなでとあ...この感想を読む
今とるべき行動をいつも一生懸命考える
人とは違っていると知った時少し先の未来が見えてしまうことがある高校生のかなで。誰かに触れたとき、ビジョンは突然降りてくる。未来が見えてしまうのはいつもじゃないけれど、見えてしまったら助けなくちゃ…!って思うかなで。本当にいい子で、未来が見えて苦しかった過去があるからこそ大人しくて、優しくて…。健気な彼女にはいつも心打たれた。世界を目隠しの国にたとえ、自分の目隠しは欠陥品でたまにずれて先が見えてしまうのだと言う。なーんかこの表現がぴったりハマっている!とは言えないと思うのだけれど、読み進めるたび、見えなくてもいいもの・見たくないもの・本当は少し見てみたいと思うもの…現実世界はまさに目隠しの国なのかもしれないと思えてくる。彼女が人を助けたいと決めたのは、おじいさんが自分が死ぬと分かっていても火に飛び込んでいったことがあるから。そして、運命のせいにせず、生還したからだった。未来は変えることが...この感想を読む