イグアナの目で見てるとけっこう人間も動物に似てる
青島リカ
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天才萩尾望都が母娘関係の本質を描くとこうなるこれを読んで何も感じない女性は果たしているだろうか?毒親という言葉がネットスラングではなく一般に浸透し、ワイドショーや雑誌でも母娘関係の葛藤が取り沙汰されるようになった昨今、自身の育った家庭環境の問題を自覚している人は読んですぐに涙腺を直撃され涙が止まらないだろうし、いわゆる友達親子を自認し、お母さんにはなんでも話せる!お母さん大好き!(そしてそんな自分が大好き!)な人でさえ、読了後何かしらの居心地の悪さを感じるだろうと思う。男性の場合、『イグアナの娘』を読ませても、恐らく女性よりは遥かに淡白な反応が返ってくることが多いだろう。余りにも生々しいこの作品の母娘像は、母娘問題の当事者にはなり得ない男性からすると、人ごとのように感じるかうっすらと嫌悪感を感じるかに大別されるように思う。しかしもし男性でこの作品を真っ向から受け止める気があるならば、此れ...この感想を読む
なぜマミのエピソードを入れたの?「イグアナの娘」は約50ページの短編。作中では、主人公のリカが産まれて結婚し、子どもができるまでの割と長いスパンの時間が流れる。加えて、この作品は娘を愛せない母ゆり子と母に愛してもらえない娘リカの苦悩がテーマになっている。また、作者も母親にスポイルされて育ってきた経験があり、内なる母から解放されるためにこの作品は作られたと言われている。きっと作者は、エピソードを厳選してこの話を書いただろう。50ページしかないのだから、全てゆり子やリカにとって大事なシーンとなっているはず。しかし、そうした貴重なはずの1ページがリカではなく、スポイルされていないマミの為に使われている。そのページとは、マミが彼氏を家に連れてきた時に、彼氏がリカのことを「美人な上に頭がいいんだ」と褒め、マミが「うそォ」と反応する。そして、場面転換して学校の進路相談で、マミは自分の学力ではH橋大学に...この感想を読む
青島リカ
自分はイグアナとして生きていくと妹に淡々と語る場面。 幼い頃から母親に愛されず、イグアナの容姿に悩んで生きてきたリカだったが、自分の生きる世界を客観的にとられ、前向きに生きていこうとする心情がこの言葉にあらわれている。