HENのあらすじ・作品解説
「HEN」は奥浩哉(おくひろや)によるマンガ作品。一連の「変」(へん)シリーズのひとつとして1992年より「週刊ヤングジャンプ」(集英社)に連載された。コミックスは全8巻が発行されている。 二人の女子高生をメインの軸として物語は展開する。誰もが認める美少女・吉田ちづるのクラスに転校生・山田あずみがやってきた。ちづるはあずみを一目見た瞬間何故か電撃的に「一目惚れ」し、チューしたり手をつないだり、いやもっともっと‥‥と妄想に支配されてしまう。二人の奇妙な「恋」をめぐって学園に騒動が巻き起こる。 1996年にはテレビ朝日系で実写ドラマ化され、深夜枠にもかかわらず12.6%という好視聴率を上げた(城麻美、木内美穂主演)。こちらはビデオ化・販売され、TV放映されたものと同様のオリジナルバージョン、そしてお色気シーンを強調した「ハードバージョン」の2種類が存在する。 また翌1997年にはOVA版が全2巻で発売された(東映ビデオ)。
HENの評価
HENの感想
同性愛というより、性別を超えた個人への愛情物語
同性愛漫画と思いきやHENシリーズと言えば、鈴木君と佐藤君の男性同士の恋愛を描いたものと、吉田さんと山田さんの女性同士の恋愛を描いたものがある。双方は、ショートバージョンの作品と、ロングバージョンの作品があり、エピソードなどは異なるものの、それぞれキャラ設定等にブレはなく、内容の本筋としては同じようなものになっている。このシリーズの特徴は、一見同性愛、ホモとかレズを扱った作品と思いきや、そうではない点だ。男子バージョンの鈴木君は恋愛対象が男性だという性傾向の人ではなく、男子である佐藤君を女性として見ていて、女性のように愛している。女子バージョンの吉田さんも同様で、女性が恋愛対象なのではなく、山田さんだけが特別にいとおしいという、ちょっと変わった恋愛観を持っている。鈴木君も吉田さんも異性には困らないタイプなので、異性と遊びで付き合うことは平気でできるが、バイセクシャルというわけではなく、佐藤...この感想を読む