叶作品「KISS×DEATH」の魅力
宇宙人ものコメディありがちと言えば、ありがちかもしれない。どこかで見たことのある設定と言われれば、否定はできない。しかし、テーマをどれだけ自己流にアレンジできるか、というところも、作者の力のみせどころだろう。その点で、この作品は非常にのびのびと、「叶恭弘らしさ」を出している。叶恭弘作品との出会いは、「プリティフェイス」だった。空手の北海道大会優勝者である主人公の乱堂は、ある日交通事故に遭い、人相も分からぬ程の大やけどを負ってしまう。密かに持っていた好きな女の子の写真を見て本人だと勘違いした、天才だけれどどこか抜けた医師の手により、乱堂は彼女と同じ顔にされてしまい、おまけに家出した双子の姉と間違われ…という話だ。その後のドタバタは、根本には深刻さを帯びているはずであるのに、そんな事などみじんも感じさせないほどテンポ良く、主人公・乱堂は乱暴だけれど根っこは優しい、そんな彼の人柄にもどんどん...この感想を読む
5.05.0
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