失われた時を求めて 2 スワン家のほうへ IIの評価
失われた時を求めて 2 スワン家のほうへ IIの感想
スワンの恋
「私」の隣人であるスワン家の人々の話、というか、スワン夫婦の馴れ初めを書いた「スワンの恋」です。社交界の花形のスワンが、高級娼婦のオデット・ド・クレシーに恋をして、嫉妬に悩み苦しむスワンの姿が書かれています。そしてスワンとオデットの恋の行方を何かと左右する、ヴェルデュラン邸で開かれているサロンに参加する人々。何と言うか俗物ぞろいで、スワンの恋敵フォルシュヴィルも現われ、スワンがかわいそうになります。そしてサロンの中心人物、ヴェルデュラン婦人は、オデットとフォルシュヴィルをくっつけようとしたり。そうして嫉妬に狂いストーカーのような真似までするスワンですが、結局オデットと家庭を持ち、娘のジルベルトが産まれ、この小説の主人公の「私」がジルベルトに恋をする。全てが繋がっていく心地よさのある小説です。