幸せとは何で決まるのか? - ガタカの感想

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幸せとは何で決まるのか?

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

子どもは、遺伝子操作で欠点のない形で生まれることがほとんどとなった近未来で、通常の性交渉の末産まれた青年が、不屈の努力と執念で、もっとも完璧な遺伝子を持った者しかなれない宇宙飛行士になるという物語です。そのために、がむしゃらに体を鍛え、必死に学ぶと同時に、完璧な遺伝子を持っていたが不慮の事故で下半身不随になった青年とすり替わることまでするのです。その過程で直したのは、身長の違いだけ。顔形は少々違っても平気で、視力矯正はコンタクトレンズで十分……それは、入社試験は遺伝子検査で決まるからです。 主人公は、他人になりすましたことがばれないよう、日々他人の血液や尿を巧みに隠し持つと同時に、自分の痕跡を残さないよう、徹底的に掃除をし、ごみはすべて集めて焼却処分します。一方、名前を貸した青年はひっそりと隠れ暮らし、毎日を無為に過ごします。 結局、愛する人には自分の正体を明かした主人公、主人公が夢をかなえたのを見届けて自ら死を選ぶ『完璧に産まれた』はずの青年。その結末には、才能や美貌、栄光を持っているだけでは、決して幸せになれない人間の業の深さと運命の残酷さを感じずにいられません。

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遺伝子操作によって生まれた優秀な「適正者」と、通常の妊娠で生まれた「不適正者」が存在する未来の話。遺伝子診断による将来の寿命と死因の特定は、現代科学の賜物であると同時に、限界を決めてしまうことでもあります。不適正者として自分の運命を知りながらも、あらゆる手を使って自分の夢を達成していく姿は大変面白く、また感動しました。科学は決して万能ではない。可能性を信じることの大切さを学びました。そのあらゆる手というのが、適正者でありながら障害をもったジェロームの身体をのっとるということ。不適正者のヴィンセントはジェロームの血液や尿等、様々なサンプルを用いて検査を通過し、夢に向かっていきます。ジェロームとヴィンセントは最初は契約者としての関係でしたが、途中からはもう適正者としてやっていけないジェロームにとって、ヴィンセントの夢が達成することが自分の夢となっていきます。最後は非常に悲しいのですが、ヴィ...この感想を読む

5.05.0
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