アオハルに乗る。
目次
友達とは?
少女漫画の実写映画化の作品ということで、多くの中高生がこの映画を観たと思う。現に、私もその一人であった。主人公の吉岡双葉は、本当の友達がいなく、見せかけの友達しかいない。このシチュエーションの物語は多いけれどそれくらい、見せかけでしか関われないことが、辛いことだということが分かる。
本当の友達とはどういうことだろう?
映画のなかの物語だからこそ、自分のことを客観視できると思う。中高生がこの作品を見て、友達との関わり方を、無意識のうちに学ぶことができるんじゃないかな。中高生への影響力は、大きいと思う。
そんなんだから友達との関係も安いんだよ。
自分が正しいと思ったことを言わないで、周りの人が言っている方に流される。
双葉は、自分の気持ちを友達に伝えた時に、嫌われてしまった。だけど、そのことで、見せかけの友達だったということが明らかになった。
双葉の勇気はすごいなあ。
双葉は、自分の気持ちを伝えたことで、本当の友達ができた。
学校行事なんてさ、あれだよ。ずーと後になって思い出した時に、一緒に経験したみんなにとって、同じ温度の楽しい思い出になってりゃいんだよ。
このセリフ素敵だなあと思った。私が高校生の時から仲のいい子と話をする時に、高校生の時の思い出話を一緒にするのがすごく楽しい。それはきっと、一緒に経験したその子にとっても、私にとっても、同じ温度の楽しい思い出になってるからなんだなあ。
好きになるということ。
人混みの中にいるとさ、いっつも無意識に吉岡さんの姿を探してるんだよね。人違いでも、目で追いかけたりして。で、意識しだすと、どんな人混みの中でも不思議と1番に見つけ出せちゃうんだ。好きになるってそういうことなんだなあって。
好きなのかな?そうじゃないのかな?自分が相手を好きかどうか、自分でも分からない。このセリフは、人を好きになるということを、ドンピシャで表現しているように感じた。気持ちは嘘をつけても、行動は嘘をつけない。
演技について。
吉岡双葉を演じる本田翼さんは、わざとらしい演技にも感じられるけれど、ピッタリの役だと感じた。だけど、個人的な気持ちをあえていうと、見せかけの友達の前で、自分を隠して、その友達が期待する通りのガサツな双葉を演じる時は、自分を偽っているのが分かりやすいから、わざとらしい演技はいいと思う。だけど、馬渕洸の前でも、わざとらしく感じる言い方があったから、見せかけの友達の前での双葉と、本当の友達ができた後の双葉の差を作って欲しかった。心や考え方が変わると、微妙な差ではあるけれど、話し方も変わるんじゃないかな。
また、双葉の中学時代役を田爪愛理さんが演じている時、純な雰囲気があって、それが素敵だなと思った。双葉が持っている透明で水色のイメージが表現されていた。
馬渕洸さんを演じる東出昌大さんは、演じてる感じが一切しないのが、すごいなあと思った。演じてる感じが一切しないというのは、セリフを言っているように感じないということ。覚えているセリフを言っているように聞こえないということ。いま生まれた言葉を言っているように見えるのが、言ってるように聞こえるのが、どうしたらそんなふうに演じられるのかなあと疑問に思った。
小湊亜耶を演じる吉沢亮さんは、数多くの少女漫画の実写映画に出演しているイメーシがあって、この作品を観る前は、正直いうと、また吉沢亮さんか…と思ってしまった。しかし、間の取り方と言葉の言い方、声のトーンを変える場所が絶妙で、間の手が上手だなあと感じた。吉沢亮さんが出演している、少女漫画の実写映画をすべて観たくなった!!スター性よりも、物語を飽きさせない潤滑油のような演技だった。
アオハルに乗る。
アオハライドの語源が、青春に乗るというのを知った。「青春に乗る」という概念がなかったから、初めてその言葉を聞いた時、素敵だなあと思った。悩んだり、迷ったりする高校生の時期。振り返って見た時にやっと、ああ青春だったなあと感じる。
大人になっても青春していたいなあとは思うけれど、やっぱり、もう戻れない時間だから青春なんだなあと思う。戻れない時間になってからやっと、青春だったということに気付く。
高校生の時は、少女漫画の主人公の子が一番可愛く見えたけど、今は、双葉も悠里も修子も可愛い。
相手を思いやる気持ちがあって、どの子も素敵だなあと思った。相手を思いやる気持ちがあれば、素敵な友達に必ず出会える。
双葉たちは、同じクラスの中で出会ったけれど、学校は狭いから、出会える可能性の方が少ない。
だから、自分を偽るよりも、いつか本当の友達と出会えるのを信じて、自分を生きた方がいい。
出会いたい友達にふさわしい自分になる。
学校にいると、ここしかないんだと思ってしまって、友達ができないことをコンプレックスに思ってしまうことがある。
そんな時は、双葉たちを思い出せばいい。強い味方になってくれる。
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