これを見ずして日本ドラマは語れない!
恋愛と挫折。これぞ若者群像劇。
このドラマを見たきっかけは、甥の「え!ロンバケ見た事ないの!?これを見ずして、ドラマは語れないやろう!」という一言でした。イギリス在住で日本に里帰り中にその一言でレンタルビデオに行き、全シリーズを借りてきた。
見始めて、しょっぱなから花婿に逃げられた花嫁(山口智子)が花婿のフラットメイト(キムタク)を訪ねる強烈なインパクトのあるシーンで、一気に物語に引き込まれ、それから寝る間も惜しんで最後まで一気見。こんな面白いドラマは本当に見た事が無いかもしれない・・・と思わずビデオを購入してイギリスに持ち帰り、今も度々見返すたびに最後まで一気見してしまう。
木村拓哉はここから始まった。
ともいうべき作品。面白いのは、あのカッコいい抱かれたい男No.1のキムタクが、挫折に苦しむピアニストである事で、普通なら女にフラれ、音大を出たもののピアノ教室の先生しか職がなく、未来に活路を見い出せず、もがき苦しむといったちょっと冴えない役をするには随分違和感がありそうなものだけど、このドラマでのキムタクは見事に違和感なく自然に演じていて、なおかつ説得力がある事。このドラマを見てる限り、よくどのドラマもキムタクというのには当てはまらないと私は思う。
山口智子が面白い!
そしてそのキムタク演じる瀬名くんを支えるのが山口智子さん演じる南さん。彼女がまた面白い。面白くてイタイアラサー役を見事に演じている。ここにもドラマを見てるという事を忘れるリアリティを感じます。脇を固める若手俳優陣、竹ノ内豊さん、稲盛いずみさん、松たかこさん、りょうさんもみなさん今もベテラン演技派で活躍されていますが、このドラマですでに充分その演技力が窺えます。
キムタクと山口智子のかけあいは、さんましのぶを凌ぐ。
最後にこのドラマの最大の魅力は、男女7人でさんまさんと大竹しのぶさんがしたような、漫才のようなテンポの良い瀬名くんと南さんの掛け合い。実に息が合った絶妙の会話のキャッチボールはさんましのぶを凌ぐレベルの面白さ。そして、何年経っても忘れられない名シーンの数々。南さんが無理矢理居候におしかけた婚約者が消えた後の瀬名くんのアパートの部屋から何メートルも下の地上にゴムボールを落としてキャッチするシーンや、そのアパート自体が屋上に立て看板があり、そこで花火をするシーン、初めて思いをお互い打ち開け合うところなど、とても印象的で、今思い出してもドキドキします。
こうして書いていると、また最初から見返したくなり、また睡眠を削って一気見しそうです。
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