子宮に沈める孤独と愛と絶望
あの大阪で起きた二児放置死をモデルに描いたフィクション映画
冒頭素敵な家族、理想の親子の映像。
ああ〜こういう家族憧れるなーという、タイトルからのギャップある素敵な映像にほのぼの。
家事全般完璧で、絵に描いたような素敵な母親像。
お弁当のシーンなんて圧巻。あのお弁当作るのにどのくらいの時間が掛かってるのだろうかってくらい!
そして子役の女の子と男の子が可愛くて可愛くて!
目がくりっくりで表情が豊かで感情が伝わってくるとっても可愛い子❤️
お人形さんの様な可愛さってこういう子の事ね!
そりゃ溺愛するよーーー!!
母性本能くすぐられながらほのぼの観てたら、展開が不安要素ちらりちらり。
一歳になるかならないかくらいの手の掛かる時期の弟の横で嫉妬するお姉ちゃん。
そして、お父さんの姿が無いのよね
なんか切ないなー。切ないなー。
あーーーその瞬間が来ちゃうのね。
女心と男心
完璧な妻って何だろう。
よく家庭的な人がタイプだと言う言葉を耳にするけど、それじゃ物足りなくなるのだろうか。忙しいと言う理由で家を空ける旦那。
女としてずっと見てて欲しい切なさ。
あのカメラワーク、ずる過ぎる。
感情移入しまくる演出で私はその場面がいちばん印象深く心を突き刺してきました。
泣いた。
女でいたいーー。母になっても女でいたいーー。
自分の心を守る為
ぐっちゃぐちゃに砕かれた女の心。それでも”母親”として生きていく覚悟。よく、「怪我したらかさぶたになってその部分は強くなる。」なんて例えがあるけども、「無理をしたら化膿してしまう。」のだと思った。
別れて引っ越し、孤独からなのかすぐ呼べる友達なのか、高校時代の友達が登場。見るからにヤンキー上がりのキャバ嬢。
デカイ声で話すわ、子供がすぐ側に居るのにタバコスパスパ。。ひーーーーーっっっ!!!!!つて悲鳴上げそうだった。
いくら高校時代の友達と言え、私なら何か理由付けてすぐ帰しちゃうかも知れない!と苛々しながら、でもそのお母さんは、子供が泣いてるのあやしながら、その友達とお話し続けてて。ずっとこの人は、自分のプライベートはさて置いて家族の為に身を尽くして来たのだなあと感じる痛々しい場面。
コマ割りが細かくて実際の撮影現場ではタバコを持つシーンには子供は居ないのだろうなぁと、そこは現実的になって安心。笑
女優さんもリアルなヤンキー感でなんか若い頃思い出して反省するシーンでもあった笑
大切な我が子を育てる為に
子育てをこなし、夜のバイトをし、働く為資格を取得しようと励む母親。寝る時間も惜しんで、ご飯も簡単なものからどんどんスーパーのお惣菜になって。
あーここでも完璧な人なのね。凄いわー。って思って居たら、、そりゃ壊れてしまうよね。。
夜の仕事にどっぷりになり久しぶりの恋愛にどっぷりで
子供居る隣の部屋で拒みながらもセックスしたり
溺れて溺れて
お姉ちゃんはお母さんのお化粧品を塗りたくって、お母さんの夜のドレスを来てヒールに足突っ込んだりして、
終いには見てたのだろう、、弟のお洋服をめくってお腹に口紅塗りたくったお姉ちゃんがチュッチュして、、目を覆いたくなるような切なさ
それからネグレクトが加速する。
そこからは子供達が母の帰りをひたすらに待つ場面へ
守りたい心
お姉ちゃんは飢えをしのぐ為に母親が出て行く前に大量に作ってくれた炒飯を少しずつ少しずつ食べて、弟には落ちた粉ミルクをいつのだかわからないペットボトルに残った水でミルク作って飲ませて、炒飯腐ったらゴミ袋漁ったり、マヨネーズ飲んだり包丁使って缶詰開けようとしたりヒヤヒヤの連続。
冷蔵庫の中が空になってる中にクワズイモの鉢植えが。
それも食料にしてたのかと。
そのあと食べちゃいけないものも食べて
あー誰か助けてあげてと思うばかり、、
そのうち残酷な事訪れるのだけど、、
お母さんが帰って来た!!!
これはあの事件をもとにした”フィクション”だからあー違う結末なのかなぁ〜。
と安心させといての、あの描写。
”誰も頼れなかったのかな。”
”こうなる前に、、、”
とか思う以前に、
”私もこうなってしまいそう。”と思ってしまった。
自分の人生のどん底に頼れるひと、巻き込めるひとって居るかなぁ。と。
子供2人ひとりで背負って思い詰めた結果、のこの母親の気持ちが凄く理解できた。
女手ひとつで。男手ひとつで。
自分から、助けてと言えるひとは少ないと思う。私はそのタイプだからひとりで頑張らなきゃいけないて思ってしまう。
親友とか家族とか尚更巻き込みたく無いと思ってしまう。
誰かが気付いて手を差し伸べてくれてたら何かが変わったのかな。
素直に助けてって言う勇気が必要な事をひしひしと感じ
最後のシーン色んな感情が入り乱れました。
ネグレクト、育児放棄
ニュースでこういった事件を見ると、自分の子なのになんでそんな事が出来るのだろうと、薄っぺらい感覚で居たけど、その裏にあるものは自分の身にも降りかかるかも知れない、普通の愛する感情、大切にしたいもの、壊れて行く心、欲、逃れなられないもの、深く考えさせられました。
エンドロールは無音でそれがまた追い込んでくるものがあってよかった。
タバコのシーンや、あのシーンの明らか人形だなぁと思うところはは、リアル感が薄いのが逆にホッとするところでもあったから私的にはよかった。
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