すべての世代に向けられたエール
彼の作品は主人公の雄弁な語りと葛藤が最大の魅力アメリカ国内では、そこまで人気が出なかったが、主にヨーロッパ各国で絶大な支持と人気を集めて知名度が高まった映画界の巨匠・ウディ・アレン監督。彼の作品で一番の見どころというか、聞きどころと言うのは、毎回主人公の長くて、早口で、独りよがり的なセリフだ。今回の主人公も、孤独で偏屈、世間に最低限はコミットしながらも、順応できず、かといって自分を捨てきれない、そんなみんなが少なからずも持つ人物像をウディ・アレン監督は描いている。辛口で辛辣ながらも、軽快で雄弁な主人公の語りは、思わず映像を止めて読み返してしまうほど。不満や愚痴や不平、と言った類の長々しいセリフながらも、軽快なテンポで語られ、そして踊りだしたくなるような音楽とともに観れば、不思議と嫌味がない。それどころか、自分が言語化できない心の叫びや葛藤を、代弁してくれるような爽快感があり、見ていて気...この感想を読む
4.44.4
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