愛される人
福本先生らしからぬ主人公のキャラ
一言で言うと愛されキャラですが、愛されるどころか、軽蔑の目で見られているところが中々可愛い。笑
カイジ等の自分から運命を切り開いていくキャラとは違い、人の顔色を伺っては裏目、裏目のオンパレド笑
でも、やっぱり周りの人の心を動かす部分は普遍的に主人公が持っている魅力ではあります。
みみっちい、くだらない
最初の全体的なストーリーは、主人公のみみっちくて人間小さい部分主体で構成されています。
主観が、小さい器の人間なので「おいおい。」と突っ込んでしまうことは間違いなしですが、共感できる部分があることも恥ずかしながら事実です。
考えることもくだらないし、とにかく幼稚で自分大好きなとこを惜しげも無く全面に出しきっては「そりゃそうなるだろ。」と言い出してしまいそうなオチで一つの話が完結します。
ですが人間的に爽快で変に気取ったりしない部分が、ストーリーが進むにつれ徐々に回りを引きつけていくことになります。
伝わってくるメッセージ
一見何もメッセージ性がないような漫画ですが、気づかぬうちに読み手が主人公を愛してしまっていることに気づかされます。
自分に投影しやすく、切なくて、どうしようもない気持ちを誰かにぶつけたい!叫びたい!歌いたい!笑
なんかパンクロック的な衝動が沸き起こってきそうな漫画なので、生産性や将来性のない情熱や衝動を青春と一緒に葬ってしまった方には是非見ていただきたいですね。
主人公もいわゆる「ただのおっさん」なので、特にアラフォー中年層には親近感がわくのではないでしょうか。
おっさんが中学生に決闘を申し込む笑
不良中学生にボコられた黒沢は、複数の中学生相手に決闘を申し込みます。
おっさんでも不良中学生は怖いですよね。
でも、公には怖いとか言えないです。
何故ならカッコ悪いから。。。
汚いおっさんになったからこそ、威厳とか、大人の対応とか、何かとスマートさは保ちたいと思うのが普通なんです。
でも主人公は、中学生でも一人の男として見るんですね。
つまり「まぁまぁ、相手は子供だから。」と言う発想がないので、やられたらやり返す、でも怖い、でもそのままではどうしても引き下がれない。。。
そんな思いを葛藤させて、結果的に怖がりながらも決闘してしまいます。
現実にやっちゃうと事件になりますが笑
大人が不良を黙らせるのは、子供扱いすることではなく、まずは一人の人間として認めて、そして思いっきりぶつかることなんでしょうね。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)