とにかくバトルを楽しくする映画 - チャーリーズ・エンジェル/フルスロットルの感想

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とにかくバトルを楽しくする映画

4.54.5
映像
4.0
脚本
3.5
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.0

目次

女が強いと燃える

とにかく強い女3人衆。いつでもどこにでも紛れ、確実にターゲットに迫るそのテクニック。顔よし・スタイルよし・駆け引きよしとくれば、どんな男も放ってはおかないのだ。そんな3人が今日もチャーリーからの命を受けて探偵業務に勤しむ。内容は完全にコメディ強めなのだが、アクションと女の魅力を楽しみたいなら最高の映画だろう。

一番好きなセリフは、3人が探偵事務所でいつも言う

Hi!チャーリー!

っていう言葉。そのときのナタリー・ディラン・アレックスの3人の表情がとても好きだ。すごく自然体な感じがして、演技っぽくないのがいい気がするんだよね。

女が強い映画はとにかく元気をもらえる。どんなところでも勝ちに行く、強気で実際に強い3人組が、いつ見ても気持ちがいいからね。もちろんキャメロンのことはお気に入りだが、個人的にはアレックス役のルーシー・リューが好きだった。キャラクター的にも、見た目的にもね。アジア系の人って、隠密っぽい雰囲気を出せるから得だよなーって思う。黒髪じゃないとイメージが出ないと思うんだよね。闇に紛れる忍者は黒っぽくないとって思う。

今回のバトルは、2つの指輪をめぐる争い。2つの指輪がそろうと、証人保護プログラムのデータにアクセスできてしまうということで、悪の組織がのどから手が出るほど欲しがっているらしいとのこと。そんなものが良からぬ敵にわたってしまえば、証人たちが狙われることになりかねない。チャーリーズエンジェルたちの指輪奪還任務が始まる。

前作との違いを出すには仲間から

もちろん、前作からの激しいアクションと、鍛え上げられた女性の肉体美はそのまま。真面目な闘いの中のコメディーも忘れずにいるつくりは今作でも健在。「フルスロットル」というタイトルがよく似合う、抜群のカメラワークだ。

前作との違いを出すために、今回はチャーリーズエンジェルの中から抜け出そうとする人物をつくっていた。ディランは元恋人が犯罪を犯した人物であったため、証人保護プログラムを受けたことがある女性であった。そのため、他のメンバーに迷惑がかかってはならないと、メンバーから抜けようとした。しかし、やっぱりチャーリーズエンジェルの結束は固く。むしろその元恋人シーマスを手掛かりに、指輪の1つを発見することに成功するのである。このあたりはなかなか面白いところで、女が転んでからタダでは起きないってことを表現してくれているようだった。

そして、フルスロットルという名前が良く似合うなーと思うのは、どんでん返しをたくさん詰め込んでいるところ。シーマスをフェイクにしたかと思えば、最初に事件を運んできたカーターさえフェイクだった。最初に出てきた奴が黒幕、というパターンかと思いきや、今度はそのカーターすら利用されていたと知る。最終的にはデミ・ムーア演じるマディソンがボスだったというわけだ。回り道しながらではあるけれど、着実に真相に迫っていくエンジェルたち。裏の動きが得意っていうよりも、彼女たちはとにかく体当たりで挑んでいる感じがするのがいいよね。正面からぶち当たって挑んでいるのが強さの証明だと言える。

元チャーリーズエンジェルから出た膿

デミ・ムーア演じるマディソンは、実は元チャーリーズエンジェルだった!今作は、常にエンジェルたちによって動いていたんだなーと思うと少し複雑な気持ちにもなったが、エンジェルたちがフルスロットルだったんだなーと思った。

デミ・ムーアは劣化が…と言われる女優だったけれど、十分ビューティーだったなー…この映画で、デミ・ムーアってまだまだできる!っていうのを証明したらしい。美ボディとアクションの動きも整っていたからね。

ただ、マディソンがこんなデカい犯罪に身を落とした理由がちょっと小さかったのが残念だった。チャーリーズエンジェルとして命令される側でいることが気に食わなかったらしく、命令する側に回りたかったらしい。いや、そんなのって…つまんなー…おもしろみが全然ないよね。弱みを握られて操られていた説とか、のっぴきならない理由によって悪に身をゆだねるような事態になったとか、そういうのだったらチャーリーズエンジェルってブラック企業じゃないのかなと思えたのに、1人でもそういう心の汚れた卒業生がいると、何となく嫌な気持ちになるものだね…女って特にそういうところあるから、きれいな理由のほうがよかったなーなんて。まぁきれいじゃないところがありつつ、汚いところもありつつっていうのが人間だからね。最後の死に方は、生き残っていないフラグだったから、今後登場する可能性ななさそうだなーと感じた。基本コメディー調なので、難しく考えず、スカッとする去り方をチョイスしたのかなーとも思う。

女同士の争いに痛々しさと強さを感じる

アクションシーンでは、全体としてこまやかに、いい演技だったなーと思う。バトルにおいては、実際に闘っているところを撮影しているのもあってか、妙に生々しいものを感じた。鈍い音が聞こえるというかなんというか…女の美しさへの妬みみたいなものもあったのかなと感じたりもして。何となくいたたまれない気持ちにもなった。

ただ、バトルにおける真剣さとか、スタントのあまりなさそうなリアルさが、強さも象徴してくれていたと思う。これは男同士だったら絶対つまらないんだけど、女の人の強さを見ると、心熱くなるものがあるね。がんばってー!って応援したくなる。ディランの名前が実は「ヘレン・ノケツ」という名前だったこととかはずいぶんと笑えたような悲しかったような…ディランをいっきに応援したくなったよ。

実際には女の体型ってバトルにすごく不利だと思うんだけど、そこは彼女らの知恵や経験、使う武器によってフォローされている。コメディーも多めで、観客のテンションのあがるストーリーのつくりになっている。

キャメロンが正直もう出ないかなーって感じ

チャーリーズエンジェルは、キャメロン・ディアスが出ないと正直始まらない。2020年までは妊活するらしいし、もうキャメロンのあの素敵な演技は見ることができないんだろうなー…って思ってしまって悲しいね。どこかでデミ・ムーアさんのように出てくるのかもしれないけど、キャメロン以外で適任がいるのかどうかは不明。あんまり若くてもチャーリーズエンジェルの貫禄が出ないと思うし、美魔女的ポジションでかつ作り上げられたボディじゃないと観客は納得できないことだろう。こういうときアレックス役のルーシー・リューみたいに、若干アジア系だと少し若くみられていいよね。感覚的に、ほんの少し若く見られる気がするんだ。

チャーリーズエンジェルはとにかく爽快に、敵をぶっ飛ばしてスカッとするためにある物語。難しいつくりは一切なしで、基本的にはストーリーもわかりやすい。だからこそ、何回もテレビでロードショーされたりしてきたと思う。さすがに裏の世界の住人達についてはサラッとしすぎてて逆に笑ったね。呼んでおいた警察の奴らにすぐにつかまったじゃん…そこ、せっかくのバトルなんですけど…とは思った。今回は何か所かひねられていたけど、彼女たちの戦いのスタンスは実に正直、見つかった敵に一直線に挑んでいくスタイルになっている。そこがぶれてないのがいいところだし、あまり深く考えず、彼女たちのイケてる姿を見たい!と思う人は楽しめるんじゃないだろうか。恋に仕事に忙しい、彼女たちの忙しく刺激的な日々を楽しもう。

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