寒い冬の日に観たい定番ラブコメの名作『めぐり逢えたら』
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愛する妻を亡くし、子供との新しい生活を始めたサム(トム・ハンクス)と、婚約者がいて幸せなはずなのに、なぜか滅入ることが多い理由はなんだろう?と悩んでいたアニー(メグ・ライアン)。西海岸シアトルに住むサムと、東海岸ボルチモアに住むアニーが、サムの息子・ジョナの純粋な心で結び付けられていく、ほのぼのとしたラブロマンス!
映画の始まりは、サム(トム・ハンクス)と息子ジョナ(ロス・マリンガー)が墓地に佇むお葬式後のシーンからはじまります。この映画全般を見て、私が今も印象に残っているシーンのうちの一つが、この冒頭のシーン。お葬式という悲しいセレモニーではあるけれど、なぜか、これから何かいいことがあるのでは?という予感を持てるのは、映像自体がノスタルジックで、音楽もフランク・シナトラなどクラシックの名曲を使っているからだと思うし、やはり、トム・ハンクス自体が、悪役キャラではなく、人間的な面を沢山持つ名俳優であることも大きいのではないかなと個人的には思っています。トム・ハンクスとメグ・ライアンという組み合わせは、後年、『ユー・ガット・メール』でも観ることができますが、個人的には、断然、『めぐり逢えたら』のほうが、大好きです!この2つの映画の日本公開は、『めぐり逢えたら』が1993年、『ユー・ガット・メール』が1999年と、約6年の間がありますが、どちらも日本公開は冬ということも、個人的には面白い偶然だなと思っています。『めぐり逢えたら』の原題は、『SleeplessinSeattle』。タイトル通り、シアトルのボートハウスが出て来たり、映画の中のセリフにもあるように、1年のうち半分が雨の日、と言われているシアトルらしく、サムが傘をさしてボートハウスに帰宅するシーン、湖や海が近いシアトルらしく、サムとジョナが親子でキャンプするシーンなど、あちこちでシアトルらしいシーンが出てきます。一方のアニー。まじめそうな男性と婚約したにもかかわらず、なんとも言えない気持ちで鬱々とした日々を過ごしているのは、シアトルと遠く離れた、雪の降るボルチモア。婚約パーティのあと、アニーの母が、自分の結婚した時の話を嬉しそうにアニーに話しながら、ウェディングドレスを娘に譲るシーン。ドレスを試着して、母にファスナーを上げてもらった直後、アニーがちょっと動いた拍子に、ドレスが「ビリビリ」と破れてしまう(笑)のが、これからのドラマの展開を、暗くならないよう、破談になるということを示しているようで、面白いです!
トム・ハンクス、メグ・ライアン以外のバイプレイヤー(脇役)の名演技にも注目!
この映画の見所の一つだなと思っているのが、トム・ハンクス、メグ・ライアン以外の、バイプレイヤー(脇役)の名演技。息子ジョナを演じたロス・マリンガー、今はどうされているのかわからないのが残念だけれど、本当にかわいらしくて、心の底から純粋でパパ思いなんだなというのが伝わってくる名演技を見せてくれています。実のお母さんが亡くなって、新しいお母さんなんていらない、そう言ってしまいそうなところだとは思いますが、映画だから、かもしれないとは思っても、お父さんであるサムの幸せを祈って、深夜のシカゴから配信されているお悩みラジオ相談に電話をかけるシーン、ジョナ自身があまり好きではない女性とサムがデートするのを子供らしさを前面に押し出して邪魔したり・・・。こんな子供が欲しいなと当時よく思ってました(笑)他には、決して主役級ではないけれど、見た目の存在感にも溢れる(笑)ロージー・オドネル演じるアニーの同僚ベッキーの、言葉少なく、食べているシーンが多いのに、なぜか印象に残っているのも、彼女が何かしら人を惹きつけるものを持っているからなのでは?とも感じました。この映画全般を見て思うのは、その俳優さんそれぞれが、本当にそういう人なんだろうなと思うような配役だから、ではないかな、と個人的には強く思っています。
個人的に、100回位観た海外映画!今も大好きな映画です!
この映画を観たのは、実は映画館ではなくて、当時趣味で習っていた英会話の勉強に役立てば、と思い購入した、英語訳のみが付いたビデオ(当時はまだDVDは主流ではありませんでした)でした。何気なく購入したにもかかわらず、メグ・ライアン演じるアニーのセリフ、トム・ハンクス演じるサム、息子ジョナのセリフ・・・英会話の教材用として作られたわけではないのに、とても勉強になるセリフ回しが多かったです。ビデオテープが擦り切れてしまうほど観た映画は、後にも先にもこの1本しかないのですが、女性だったら、アニーになり切って、男性だったら、サムになり切って、感情移入しながら観ていると、とても覚えやすい、かつ、かなり実生活でも役立つフレーズが多いです。凝った演出でもなく、ストーリー自体はありふれたもので、今の映画ではあまり観ないような平凡な内容ですが、だからこそ、親近感を持ちやすく、感情移入もしやすいのかな?英語の教材に推薦したいくらい、セリフの勉強になる映画だと思います。
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