人間とは植物であり機械でありまたそのどちらでもない - 攻殻機動隊S.A.C. Solid State Society[ソリッドステートソサイエティ]の感想

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攻殻機動隊S.A.C. Solid State Society[ソリッドステートソサイエティ]

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人間とは植物であり機械でありまたそのどちらでもない

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映像
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ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
声優
5.0
音楽
4.0

目次

多様化した社会

現代日本の社会は多様化していると思います。

もともと昔の日本、例えば戦国時代などを例にとってみると、人々はまず生きることそして服従することいったことに支配されていたと思います。とても単純なものといえるでしょう。

しかし現代日本はどうでしょうか。

コミュニティに関しては1人でもいい人もいれば大人数でなければならない人もいる。

社会を形成している人をいれば複雑な貴族的な社会を形成している人もいるといえるでしょう。

この作品でも社会について取り上げられていましたが、犯人は多様化した社会をある程度一本化するように社会構成を組み立てていこうとしたのではないかと思いました。

社会構成が複雑になると自由度が増し管理が大変です。

しかし社会を1つにすることでは人々を管理し、成長させ、収束させるのも簡単です。

ある意味強靭で、ある意味もろい社会といえるでしょう。

私個人としては犯人はとても優秀ですがやはり多様化した社会のほうがいいのではないかと思っています。

社会構造が複雑で管理者は大変ですが幸福度が上がると思うからです。

もちろんその幸福度も社会の種類によって質も異なるとは思いますが、可能性が多岐にわたるほうがよく、現代日本もその可能性をはらんでいると私は思います。

人は植物と同じ?

この作品の後半1時間くらいで、特定の施設に頭を電脳機器につながれ、座ったまま教育を施されている子供たちを見て、私は「あ、これ植物と同じじゃん」と思ってしまいました。

自由を奪われ、その場所で教育を施される子供たちは、根を張り、どこにも行けず、光と水で光合成を行いながら生きていく植物とまさに同じと思いました。

さらに言うとただの雑草などの植物ではなく、栄養を管理され、温度、光加減すべてを管理された品質管理をされた植物のイメージです。

そこで考えてみたのですが、さて今の現代の教育は植物と同じような状況ではないかということです。

先ほどの多様化した社会の考察とは少しずれるのですが、特に中国の教育を例にとってみましょう。

みなさんは中国の大学の試験「高考」のニュースを見たことがあるでしょうか?

人口の多い中国人はこの大学試験の倍率がとてつもなく、地方の子供たちもここにかけて勉強してくるといわれています。

ニュースの中には学習塾の天井あたりから点滴を垂らしながら勉強をしている集団の映像があったり、酸素マスクを口に当てながら勉強をしている子供たちの映像などがありました。

まさに攻殻機動隊のシーンの劣化版といったところでした。

彼らは勉強のレールにのり、ただ単に勉強している様は私には植物のように脳死状態でただただ生かされていると思わざるを得ませんでした。

一方そういった促成栽培、品質管理をされた人間以外は植物といえる要素はないのでしょうか?

私はあると思っています。経済的に裕福な人がいたり、貧困の人がいたり、国によって民族的な種類が違うさまはまさに大きな木や小さな木、砂漠の植物や温帯の植物など種類に分けられるだけのような気がします。

宇宙規模で見れば人間も植物も変わらないということです。

お金に管理され、宗教や文化教育などに管理される人間が太陽や気候、水のありなしに左右される植物と似ているのは仕方ない部分があるのかもしれません。

植物と同じにされたくないという人は多いと思います。

ではなにをどうすれば違いを生み出せるのでしょうか。

そう考えた時私の答えは生産活動にあると思いました。

ただ生かされるのではなく、人間という種族とは異なるものを創ること。

そしてその作ることはただ単に人間の性質のようにレール上のものを作るのではなく、創る、ということをすることです。

常に変化を生み、考え、新しくしていく。

そうやって人は植物ではなくなっていくのかもしれません。

機械と人間の違いは?

攻殻機動隊を見る人の中でよく議論されていることの中で、機械と人間の違いについて問われることがあります。

結論から言うと私はほとんど人間と機械の違いはあると思っています。ただ、確かに差が出てこない部分が出てくるのは間違いないとも思っています。

なぜかというと、ここ数年でAI(人工知能)が発達してきており、いまだに人間による管理が必要とされていると思いますが、将来的にはハリウッド映画の「アイ,ロボット」のように完璧に近い人工知能が完成すると思います。

そうなるとよく言われている創造性なども機械は獲得することができ、もしかしたら人間のように機械は生体を手に入れるかもしれません。

機械が機械を生み出し繁殖していくようになってくると生物学的な違いもなくなってくるかもしれません。

もしかしたら恋愛といった感情の仕組みもAIに搭載されるかもしれません。

AIが恋愛し結婚し子供(機械)を生む社会。まさに人間と同じですね。

じゃあどこが違うのか。

とても突飛な意見だと思いますが超能力などの目に見えない力の存在だと思っています。

それは実際超能力なのか神の力なのかわかりませんが、私は実際にそういった目に見えない力があると思っています。

こういった分野を人間がより発達させていき独自性をもっていくことができればいいなと思います。

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