アデライン、100年目の恋のよいところ
この映画のテーマを考えてみた
「ゴシップガール」でオーラ抜群のセレブを演じていたブレイク・ライブリーが気になって手にとった本作「アデライン、100年目の恋」。
タイトルから想像するに、タイムスリップ的な恋愛ものかな?と思って見始めたら、全然そんなのじゃなかった!
というのも、彼女は事故によって、細胞が変化し、老化しない体になったという、SFチックな冒頭で、もちろん恋愛云々はあるのですが、もっと本質的な愛を問う作品に思えたからです。
老化しない美しい容姿を保ちながら生活する彼女は、どうしても人目を引きがち。
そのため、名前を変え、自分を偽り、住む場所を変えながら暮らさなくてはなりません。どれほど愛する人ができても、添い遂げることができない彼女は、次第に心を閉じていきます。
そんななかでも、彼女に光を灯したのは、どんな彼女であっても受け入れてくれる娘の存在。
そして、失ってしまった過去の恋人。
やがて、彼女はその過去の恋人と思わぬ形で再会することになりますが、そこにはまた別の愛の形があって。
愛はひとつの言葉ですが、人を心から思ういろんな気持ちなんだと、再認識しました。
タイムスリップにありがちな運命論じゃなくて、ハンディを背負った人でも、愛のなかで生きてるよっていう、気づきがあるような、そんな気がします。
それにしても、細胞が変化するというのは、最近アメリカで話題のテロメアが絡んでるようで、題材としても面白いのに、美しい恋愛映画(ジャンル的には)に昇華してくれました。
見どころはストーリーだけじゃない!
本作で、ブレイク・ライブリーをキャスティングして、いちばん良かったなぁと思ったのは、劇中のエレガントな装いを嫌味なく着こなしてくれた点にあります。
彼女のスレンダーな体型は、もはや同じ人間とは思えない!
1930年代から約100年にかけて、その時代で最も上品かつシックではなかろうかという洋服たちは、もはやアートのようで、作品の見どころのひとつです。
というか、わたしはそれがいちばん魅力的だったかも・・・。
コスプレめいたファッションや、愛がテーマになる本作は、なんとなく大好きな映画「君に読む物語」を思い起こしました。こちらに比べたら、恋愛要素は落ちるかもしれませんが、エンタメっぽく哲学的な問いを投げかけている気がして、甲乙つけ難いですね。
つける必要もないですが・・・。
美しさが溢れてた
ストーリーは、決して激しく展開するというものではなくて、意外と淡々と進んでいきます。
でもその淡々さが、やっぱりアートのようで。
フランス映画のような、アンニュイさが漂う演出は、目を惹くものがありました。
美や愛という女性の不変的な悩みを題材とし、アート感がある本作は、美意識が高い日本人に受けがいいだろうなぁと、自分もちゃっかり含めながら、感心してしまいました。
ハリソンフォードが出演していたのも、なんだか急にエンタメ感がでて、おもしろかった。
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