キャリー  ハイスクールホラーの原点 - キャリーの感想

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キャリー  ハイスクールホラーの原点

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
4.5
演出
5.0

目次

古くて新しい・・いじめと恐怖は永遠のテーマ・・

キャリーは1976年製作のかなり古い映画なんですが暗い少女がいじめによる怨念を爆発させて

変身 破壊のかぎりをつくすという今日的なテーマの映画です。

主人公はキャリーっていう名前のいじめられっこの女子高生。

日本でも校内のいじめが問題になっていますがアメリカにおけるそれは

日本より超ど級かつ手が込んでいる。

気の強い子が気の弱い子をおいつめるといった単純なものではなく

いわゆるスクールカーストが絡んでくるようです。

このスクールカースト もちろん最高位は金持ち 金髪 青い目 美男美女 成績スポーツも優秀 と

いった人たち。

お貴族様ですね。続いて金髪碧眼だけど裕福じゃないとか 成績はいいけど顔はちょっととか

ランクが段階的に低下してゆく。

いやな雰囲気ですよね。でもこれは今も変わらないアメリカの学校の雰囲気のようです。

キャリーはそんな中でいわば埒外。 カーストの中にも入らない、 いわば無視されている女の子

なわけです。それというのもブロンドでかわいいのにすごく陰気くさく気弱な性格だから。

ストーリーでは彼女のシングルマザーの母親が変人であることに原因があることを暗示しています。

そんなキャリーに救いの手をさしのべるようにクラスカースト最高位のプリンスが彼女をブロム

パーティーに誘う。これはいつも彼女をいじめていたあるクラスメートが罪滅ぼしに彼氏に頼んだから

のことだったんですが最初は半信半疑だった彼女も熱心な誘いにだんだん本気になってゆきついには誘

いにのってしまうのです。

このあたりのキャリーの変化は陰気くさい女の子がはじめてすてきな誘いをうけるとかくも美しい少女

になるのかとおどろかされる。 喜びにふるえながら自分でパーティドレスを縫う彼女はほんとうに可

愛らしいんです。

血の結末

だからこそこの後に待ち受ける惨劇がよりショッキングでおぞましいものになるわけです。

パーティでベストカップルに選ばれ お立ち台へ上がり まさに幸福の絶頂を迎えようとした瞬間

ざああっと血の雨がキャリーの頭上に降ってくる。

なんとこれは豚の血なんですが実はこれキャリーをからかうために全部クラスの意地悪な

上位カーストたちが仕組んだ壮大な悪巧みだったんですね。

一度もちあげておいて地獄に落とす。

めんどくさいというかひまというかそんないじめたくらむひまがあるなら勉強しろよといいたくなる。

血塗れになった彼女をみてみんなげらげら笑う。大盛り上がりです。こんな悪魔的なことが

ただですむわけはない。

あることがおこります。

いじめられっこが切れるとき

いじめられっこがいじめっこに切れるとき どうするでしょう。いわばやけっぱちで立ち向かってゆく

しかないですよね。

まけるとわかっていても全身で立ち向かってゆく。 結果はどうあれもうこうするしかない と思うわ

けです。

するとある種の化学変化がおこるのでしょうか。

キャリーの場合 まさに文字どおりの化学変化 発火がおこるわけです。 キャリーの化学変化で瞬く

間にパーティ会場は火の海になり それは街全体に広がってゆく。

みんなを次々に黒こげにしながら家へ帰ってゆくキャリー。 最後は自分の母親も家も自分自身も焼き

尽くしてしまうんです。

というわけで恐いけどなんだか納得のこの恐怖映画 実に説得力があり映像的にもすばらしい大傑作と

おもうわけです。

というのもこの映画からその後のハイスクール恐怖系(と私が勝手に呼んでいる)映画 13日の金曜日

とかゾンビハイスクールとかがぞくぞくでてきます。 

恐怖も愛もハイスクールからはじまる・・・とはちょっとおおげさでそしょうか。

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