私の心を感化させたアニメ
鋼の錬金術師による感化
「死んだ人は元には戻らない」「時の流れには逆らえない」「人間は弱いけれど、何度でも立ち上がれる強い存在だ」
そういった当たり前のことを、改めて教えてくれて子供への分かりやすく「これをしてはいけないんだよ」という教訓にできるようなアニメだなと私は思っています。
死んだあの人にもう一度会いたい。過去に戻れたらいいのに。もう私はダメかもしれない…など無理なことだと分かっていても、自分がドン底に落ちたときや滅入っているときに、ふと上記のように考えてしまう時があるのが、人間です。
でもそんなときに、鋼の錬金術師を観ていると、エドやアルの心の強さや優しい気持ちが「馬鹿なことを考えるのはよそう。私は人間として精一杯に生きよう」と思わせてくれるのです。
こんないい意味で重みのあるダークファンタジーを女性の方が描いているなんて考えられない!と最初にアニメを見たときはびっくりしました。
でも、よくよく見返したときに、女性だからこそこんなにも人の情緒や心情を事細かに繊細に描くことが出来て、それがこんなにも自分の心を揺さぶってくるのだと思いました。
同じ女性として、見ていて細かな表情や発言の声の色で感じるものが沢山あり楽しいです。
そして観ていてそれ以上に溜まらなく心が痛くなるのです。
そしてその後にジーンと心が温まってくるのです。
私って人間臭いな!といろんな感情にさせられるアニメです。
ここまで漫画を読んでいて感化されたのは初めてです。
やっぱり好きなのはこのキャラクターだ!
私の一番好きなキャラクターは何といっても主役のエドワード・エルリックです。
好きな理由を一言でいえば、彼は心の優しい少年だからです。
ときどき口が悪いときもありますが、それも彼の良さ。
言葉がきつくても、それ以上に気の利いた行動が彼の優しさを表しています。
いわゆるツンデレってやつでしょうか。いいですね。
ロゼが悲しんでいるとき、自分で考えろと冷たく言い放ちはしますが、その後に「お前には立派な足がついているじゃないか」と背中を押したり、ニーナが遊んでほしそうにしているときは、調べ物で忙しいのにも関わらず、思う存分に遊んであげたり。
やはり行動から彼の優しさがどれほどのものかわかります。
戦い方からも彼の優しさは出ています。
周りの大人が殺し殺されで戦っている中、エドは「相手を殺さない、傷つけない」という難しい戦い方をして勝つのです。そして相手の心をも変えるのです。
こんなにも心優しい気持ちを真っすぐにぶれずに持ち、そのうえで勝つことが出来る人などいるのだろうか。
また心優しさとは関係ないけれど、こんなにも三つ編みの似合う男の子っているのだろうか。
とにかく全てにおいてかっこいい。その一言に尽きます。
心に響いた言葉たち
「お前の手は人を殺す手じゃない。人を生かす手だ。」
エドワード・エルリックの名言です。
指を銃からひとつひとつゆっくりと外しながら言った一言。
憎しみが憎しみしか生まないと分かっていて、大好きなウィンリィには憎しみしかないような人になってほしくないから、きっとエドはこう言ったのだと思います。
自分に歩くための手と足をくれたウィンリィを思っての言葉。
エドがウィンリィに対しての感謝の思いとウィンリィのことを思っての思いと、たくさんの思いやりの感情が見えるシーンで、エドがどれだけウィンリィのことを大切に思っているのかがわかりやすく出ていて大好きです。
鋼の錬金術師を観ていて一二を争うくらい好きなシーンです。
「俺に言わせりゃ、欲にいいも悪いもねぇ。
欲っつうもんに偉そうに格付けするから、人間はややこしいんだよ。」
ホムンクルスのグリードの名言です。
この言葉を聞いたときは確かになぁ…と圧巻されました。
人間は確かに欲に対して大小をつけすぎているのかも…と。
もっと欲しいものは欲しい、やりたいことはやりたいと、自分の気持ちに素直になってどんな欲に対しても動いてみようと思わせてくれる一言でした。
かといって、グリードほど強欲に動きすぎると痛い目を見そうなので加減は必要ですが…
「痛みを伴わない教訓には意義がない
人は何かの犠牲なしに何も得ることはできないのだから」
エドワード・エルリックの名言中の名言ですね。
この言葉が鋼の錬金術師の全てを物語っているといっても過言ではありません。
子供のころからずっと周りの大人にこのような意味の言葉を言われてきたような気がします。
でもそれをどんどん大人になるにつれて、私は忘れていました。
仕事で嫌なことがあったとき「もういいや」と適当にやり過ごしてしまったり、ダイエットしようと心に決めたはずなのに夜にカップラーメンやお菓子を食べてしまったり、自分に甘いことだらけな今日この頃でした。
でもそんなときに、この言葉を聞いて、はっとしたのです。
「もっと頑張らなきゃ」と。昔のようにがむしゃらに何かを成し遂げてみたいと。
多少の痛みがあるからこそ、成果が出たときに、嬉しいと強く実感したり人として成長していけることに喜びをもっと感じたいと思いました。
心が折れそうになった時、私はこのアニメを見返して、心を感化させるのです。
そして、また明日も元気に笑って過ごそうと思えるのです。
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